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震災や歴史資料早急な保全提言 福島・大熊町アーカイブズ検討委

福島県大熊町が震災後に収集した資料=町役場

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が一部解除された福島県大熊町のアーカイブズ検討委員会は29日、東日本大震災と原発事故や町の歴史・文化的資料を早急に収集し、保全する必要性などを渡辺利綱町長に提言した。

 提言は町が取り組むべき重点事業として(1)歴史・震災資料の保全(2)震災遺構の保全と活用法の検討(3)公文書の収集と活用のための制度構築(4)郷土芸能の記録と継承(5)アーカイブズ施設の整備(6)震災記録誌や震災で中断した町史編さん事業の再開−を掲げた。
 復興事業などで家屋解体や造成工事が進み、歴史資料や震災被害の跡が処分される危機にあると指摘。震災遺構については、残すべき建造物や景観を早急に調査し、具体的活用法を協議する必要があると位置付けた。
 町教委によると、町は震災前に収集した歴史資料733点のほか、震災後に救済した389点を保管。震災資料は70点、公文書は約1万6000点ある。収蔵場所がないため、町外の県施設や帰還困難区域内の町施設に一時保管している。
 検討委は2017年9月に発足。委員長の白井哲哉筑波大教授(史学)は「大熊のアーカイブズ事業は町の過去・現在の活動記録を残し、未来に伝える。町民だけでなく、町に関心を寄せる国内外の人が活用できるようにしてほしい」と要望した。
 町は19年度、公文書保存に向けた文書管理規程の改定作業に入ったが、その他資料の保存活用、震災遺構の選定などは未着手。渡辺町長は「自分たちの歴史を見詰め直す重要性を再確認した。どう具現化するか検討したい」と話した。


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2019年08月30日金曜日


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