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亡き父の絵と「協演」 仙台のピアニスト太田さん来月リサイタル 会場に水彩画30枚飾る

リサイタルを控え、自宅のピアノで日々練習する太田さん
有磯さんの風景画「エメラルド寺院」

 仙台市太白区のピアニスト太田ゆり子さん(宮城県芸術協会参事)が9月8日、水彩画家だった父の故・有磯一郎さんの絵を演奏会場に飾るリサイタルを青葉区のエル・パーク仙台で開く。「もう一度個展を開催したかった」と生前話していた父の願いをかなえようと企画した。親子で楽器を演奏する例は多いが、ピアノと絵画による珍しい「父娘協演」が実現する。
 2016年に93歳で死去した有磯さんは、東北電力に勤める傍ら2年に1回のペースで個展を開催。風景や人物を得意とし、画集を3冊出版するなど精力的に活動した。
 宮城県大衡村出身の洋画家で河北文化賞受賞者の菅野廉さん(1889〜1988年)は、有磯さんの絵を「デッサンが鋭く、的確で流暢(りゅうちょう)。頭脳的描写は少しも冷たさがなく、温かい人柄を感じる」と評していた。
 妻文江さんが08年に他界したことや加齢による衰えもあり、有磯さんは晩年、個展開催ができなくなった。「もう一度開きたかったな」と、残念そうに話していたという。
 長女の太田さんは宮城学院女子大音楽科や米国留学でピアノの研さんを積んだ。有磯さんの死後「音楽家になれたのは両親の支えのおかげ。父の願いを果たし恩を返したい」と思うようになった。
 リサイタルでは客席側の壁面に絵画約30枚を展示し、第1部、第2部の間にじっくり鑑賞する時間を設ける。
 有磯さんがよく聴いていたベートーベン「バイオリンソナタ第5番『春』」や、太田さんの好きなショパンの曲を演奏する。仙台市の作曲家佐藤博幸さんに委嘱した、父をイメージした曲も初披露する。仙台フィルハーモニー管弦楽団のバイオリン奏者小池まどかさんがゲスト出演する。
 太田さんは「両親やお世話になった方々へ感謝の気持ちを込めて演奏したい。父の元同僚や美術関係者にも来場してもらえたらうれしい」と話す。
 午後5時開演。入場料は一般2500円、学生1500円。連絡先は仙台・杜の響きコンサート022(302)3344。


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2019年08月31日土曜日


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