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<新庄市長選>看護学校建設の是非争点 山尾氏「早期に実現」小関氏「白紙撤回を」

地元就職を希望する最上地方出身の看護学生が参加した研修会。地域の医療事情を先輩看護師(右)から学んだ=6日、新庄市の新庄徳洲会病院

 任期満了に伴う新庄市長選(9月1日告示、8日投開票)は、4選を狙う現職山尾順紀氏(67)と新人の市議会副議長小関淳氏(63)の一騎打ちとなる見通しだ。争点の一つは2022年4月開校を目指す市立看護専門学校(仮称)問題。前回市長選で公約に掲げた山尾氏が早期実現を打ち出す一方、小関氏は財政的不安から白紙撤回を訴える。
(新庄支局・阪本直人)

 新庄市の病院で今月6、7日、地元就職を希望する最上地方出身の看護学生を対象とした研修会が開かれた。自治体と医療機関などでつくる最上地域保健医療対策協議会が人材確保を目的に主催。山形県内の他地域で学ぶ8人が、先輩看護師の話に熱心に耳を傾けた。

■最上は空白地域

 最上地方は県内4地方で唯一、看護系の専門教育機関がない。新庄市の高校を卒業後、酒田市の専門学校に進学した男子生徒(19)は「卒業後は地元の病院で働きたい」と話す。
 厚生労働省の調査によると、最上地方の看護師数は591人(2016年12月末)。人口10万人当たりに換算すると、773.9人で、県平均1017.4人、全国平均905.5人を大幅に下回る。
 慢性的な看護師不足と他地域への若者流出の打開策として、新庄市は昨年度、市中心部の民間医院跡地に3年制(1学年定員30人)の看護学校を建設する基本構想を策定。市議会9月定例会で用地取得を含む関連予算が可決された。

■10億円は市負担

 しかし現在、計画を巡り市議会は賛否が割れている。大きな理由が財政面の負担だ。施設の建設費約10億円は市が単独で負担。開校後の運営費も年間約8000万円の不足が生じることが分かった。
 市は運営費の穴埋めに関して最上地方の7町村と分担を協議する姿勢だが、当初賛成した議員からも計画を不安視する意見が続出。今年3月と6月の定例会では関連予算が認められなかった。
 市は今年春に学校用地を取得し、全教員のうち4人を採用したものの計画は滞っている。7月から計5回開催した市民説明会では、人通りの減った中心商店街に立地する用地選定や学生確保の問題など、疑問点を指摘する声も相次いだ。
 山尾氏は市政3期で財政再建を進めた実績を示し「今の新庄市は体力がある。高齢化が進む中、地域医療を担う若者を自前で育てる未来への投資が必要だ」と強調する。
 一方、議会で計画見直しを訴えてきた小関氏は「学校運営費に毎年8000万円も繰り出せば市財政の重荷となる。子どもたちの将来にツケを残してはいけない」と主張する。


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2019年08月31日土曜日


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