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<いぎなり仙台>おらほの裏方さん![3]利き酒の技で品質守る/宮城県産業技術総合センター技師 吉村緑さん(28)

培養した酵母を検査する吉村さん。手前のおちょこは利き酒用

 宮城県内のさまざまな産業を技術的な面からサポートするのが県産業技術総合センター(仙台市泉区)の役目だ。微生物・バイオ応用班は、産地間競争も激しい日本酒の品質評価や新商品の開発の助言に力を入れる。
 技師吉村緑さん(28)は班の最年少。2016年に就職してから主に酵母の培養や開発に携わってきた。利き酒ができる職員を増やすセンターの狙いもあり、18年から利き酒の経験を重ねる。
 杜氏(とうじ)に対して厳しい意見を言うのが仕事になる。口の中で香りの広がり方や味のバランスを確かめ、吐き出す。違和感があれば醸造場所やタンクの衛生状態、火入れの温度などを聞き、改善できる可能性を指摘する。
 今夏は初めて1人で県内の酒造会社14社を回った。技術指導する立場ではあるが、杜氏に励まされることもしばしば。「意見を言い出せずにいたら、『とにかく言いなさい』と。杜氏に育てられています」
 8月下旬に訪れた大手の酒蔵では、1日で179点を口に含んだ。記者のうらやましげな表情に気付いたのか、吉村さんは「最後の方は倒れるかと思いましたよ」と苦笑した。
 今月、広島市にある酒類総合研究所で「清酒専門評価者」の試験を受ける。県内の若手杜氏の存在が刺激になっている。「宮城の酒蔵は世代交代が進み、同年代の杜氏もいる。高品質を担保できるよう自分の舌に自信を持ちたい」と意気込む。
(奥瀬真琴)

[微生物・バイオ応用班]技師は計5人。日本酒のほか、乳酸菌を用いたヨーグルトや甘酒の開発にも取り組む。10月19、20両日に宮城県庁などで開かれる「みやぎまるごとフェスティバル」では、技術指導する県内蔵元の日本酒100点以上を味見できる。無料。


2019年09月04日水曜日


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