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福島12市町村の営農再開へ「推進チーム」 農水省、休止農地の集積など目指す

 農林水産省は3日、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出た福島県内12市町村の営農再開に向け、自治体ごとの推進チームを2020年度に配置すると発表した。地域ニーズを踏まえ、休止農地の集積や担い手確保、高収益品目の産地化を目指す。

 推進チームは農水省と県、自治体、地域農協、福島相双復興推進機構の専属職員5人程度を見込み、20年4月に発足させる。東北農政局と連絡を取りながら、農家を戸別訪問して再開の意向がない人の農地を集約し、借り手となる就農者を探すために大区画化や用排水路の改修を促す。
 農地の貸し借りに関する事務は市町村の業務だが、人手不足で滞っており、12市町村に限り県も担当できる措置を検討。所有者不明を含む農地集約の円滑化を図る。6次産業化のための加工施設を建てる場合、農地転用を許可する特例措置も設ける方針。
 平野部では人工知能(AI)を活用したスマート農業による大規模な省力化営農を推進。中山間部では果樹、養鶏といった高収益品目の施設型営農を提案する。自治体間で共同利用する集荷施設など広域ビジョンも示す。県外を含めた担い手探しにも取り組む。
 福島県楢葉町が県や福島さくら農協(福島県郡山市)と連携し、18年度に始めた休止農地の貸し手と借り手を掘り起こす事業をモデルにした。同町はコメの作付面積を18年の58ヘクタールから19年は160ヘクタールまで伸ばした。
 農水省によると、12市町村の営農休止農地計1万7298ヘクタール(帰還困難区域2040ヘクタールを含む)の再開状況は表の通り。震災後に住民の帰還が早期に始まった4市町村は再開割合が高まっているものの、8市町村は10%にも満たず、二極化した状態という。
 吉川貴盛農相は3日の閣議後記者会見で「12市町村から要望があった人的支援を強化し、地域の営農再開に取り組む」と述べた。


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2019年09月04日水曜日


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