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被災農地の牧場計画白紙 宮城・亘理 「設備投資重荷に」石巻の農業法人撤退

採草地に予定されていた亘理町吉田東部地区の農地

 東日本大震災で被災した宮城県亘理町吉田東部地区の農地約60ヘクタールに大規模な牧場を建設する計画を進めてきた石巻市の農業生産法人「うしちゃんファーム」が事業撤退を町に申し入れたことが5日、分かった。同社は「和牛の購入価格が高止まりし、多額の設備投資が重荷になると判断した」と説明する。広大な被災農地の活用策が白紙となり、町は新たな事業者探しを急ぐ。

 同社や町によると、8月5日付の文書で同社が町に撤退を申し入れた。和牛の仕入れ、牛舎建設など総事業費が100億円前後の見通しとなり、当初予定していた復興・創生期間が終了する2020年度内に事業を本格始動させるめどが立たなくなったという。
 同社の佐藤一貴社長は「復興に役立ちたかったが、申し訳ない。既存事業や海外展開に注力し、亘理への進出を断念せざるを得なかった」と語る。
 牧場予定地は町の復興計画で「産業誘致・再生ゾーン」に位置付けられている。県の農地整備事業で整備し、同社と町、県は17年、立地協定を締結した。
 計画によると、採草地約47ヘクタール、牛舎の敷地面積約13ヘクタール。繁殖牛、肥育牛計6000頭を飼育し、従業員約50人を雇用する予定だった。18年から牧草などを試験栽培してきた。
 町は20年度末までに、農地として土地活用を図るため、遅くとも本年度内に新たな事業者を見つけたいとしている。採草地、畑地などとしての活用が想定される。
 町農林水産課は「大変残念でショックだ。県とも協議し、対応を急ぎたい」と話す。


2019年09月06日金曜日


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