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<北海道地震1年>奥尻での経験胸に厚真の復興支援 東北大災害研の定池さん

仮設住宅入居者支援会議で助言する定池さん=北海道厚真町

 発生から1年を迎えた北海道地震の被災地、厚真町で、東北大災害科学国際研究所助教の定池祐季さん(40)が、町の防災アドバイザーとして支援に取り組んでいる。町では震度7を観測し、土砂崩れで道内最多の36人が犠牲になった。「苦労したけれど復興できて良かった、と思えるようサポートしたい」と話す。

月1回の集まり

 町総合ケアセンターで8月29日、仮設住宅入居者支援会議が開かれた。月1回、町役場や町社会福祉協議会、支援団体の担当者約20人が集まり、入居者の現況や災害公営住宅の建設状況などの情報を共有する。
 定池さんは「自宅に戻った後は、生活支援、住宅支援、経済的支援ごとに整理するといい」などとアドバイスした。
 町民福祉課の中村信宏参事は「厚真にとって初めて経験する大災害。他地域の事例などの助言が得られ、ありがたい」と話す。
 北海道生まれの定池さんは、中学2年だった1993年、北海道南西沖地震の津波で198人が犠牲になった奥尻島に住んでいて地震に遭遇した。被災者の苦労を目の当たりにしたことが、災害の研究者を志すきっかけになった。
 専門はフィールドワークを主体にした災害社会学と防災教育。東日本大震災の発生時は人と防災未来センター(神戸市)の研究員を務め、被災地に出向く研究者の後方支援に当たった。
 厚真町とは同センター時代に縁ができ、2014年5月から約3年間、町の防災アドバイザーとして、学校で防災の授業をしたり、町の広報紙にコラムを連載したりした。
 17年春に東北大の助教となり、北海道地震が発生。数日後には町に入った。「分からないことが多い。できればしばらくいてほしい」。旧知の職員からそう頼まれ、本腰を入れて町に関わることを決意した。再び防災アドバイザーに就き、町社会福祉協議会の生活支援相談員スーパーバイザーも引き受けた。
 町では土砂崩れの復旧作業が本格化し、幹線道路は早朝から土砂を運ぶダンプカーが行き来する。自治体からの応援職員が少なく、地震後は20人近い職員を中途採用して復旧復興に取り組む。

研究者ら橋渡し

 定池さんは仮設住宅入居者支援会議をはじめ、集落懇談会、学校訪問、生活支援相談員との打ち合わせのため毎月、仙台から町に向かう。職員らの話を聞き、東北大をはじめとした研究者や支援団体を紹介するなどしてそれぞれの活動を支援する。
 「私の役回りは、全体を見渡しながら情報提供や選択肢を示し、判断を助けること」と定池さん。「災害に遭ったのは短時間でも、災害による苦しみ、再建の道のりは長く続く」。可能な限り、厚真サポーターを続ける覚悟だ。
(報道部・佐藤素子)


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2019年09月06日金曜日


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