宮城のニュース

イノシシ被害深刻で「自己防衛」 宮城・栗原でわな猟免許受験者が急増

宮城県栗原市栗駒の山間部に現れたイノシシの群れ=3月29日午後(菅原俊文さん撮影)

 宮城県栗原市で、わな猟免許試験の受験者が急増している。イノシシによる農作物被害が拡大したため、自己防衛策として免許取得を目指す農家などが多いとみられる。
 栗原市築館の栗原文化会館で7月18日、県主催のわな猟免許試験があった。受験者計51人のうち、栗原市在住者が30人を占めた。1自治体から30人規模の受験者が出るのは「珍しい」(県自然保護課)という。
 背景には、栗原市でのイノシシ被害の拡大がある。同市内でのイノシシ目撃件数は1桁が続いていたが、2016年度に99件に急増。18年度は241件に増え、稲やイモ類などの農作物被害は約180万円だった。
 栗原市でのわな猟免許試験は、被害の増加を受けて市が県に開催を要望し、実現した。市は広報紙で特集を組み、市民に受験を呼び掛けた。
 7月に初めて受験した同市栗駒の酪農業菅原秀雄さん(86)も、数年前からイノシシ被害に悩まされている。「2、3日おきに牛の餌を狙って20頭近い群れがやって来る。自己防衛が必要と考えた」と話す。
 イノシシ捕獲に最も有効とされるのが、くくりわな。仕掛けの上にイノシシが乗るとワイヤが締まり、脚に絡んで捕獲する仕組みだ。
 市鳥獣被害対策実施隊員の菅原俊文さん(66)は、「イノシシは警戒心が強く、散弾銃での駆除はとても難しい。試験の難度、費用面からもわな猟免許が現実的」と説明する。
 県自然保護課によると、県内の18年度のイノシシによる被害額は8179万円、捕獲頭数は1万74頭だった。わな猟免許試験は例年、約300人が受験。19年度は10月までにあと2回実施する。


関連ページ: 宮城 社会

2019年09月07日土曜日


先頭に戻る