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平成元年のタイムカプセル、令和に復活 弘前大などメッセージ判読に協力

泥などを除去して復元されたタイムカプセルの中身。ゼッケンのメッセージなどが読めるようになった
開封直後のタイムカプセル。泥で中身の判別ができない状態だった=6月25日

 青森県最高峰の岩木山(1625メートル)に平成元(1989)年に埋められたタイムカプセルの中身が、令和に復活した。改元を祝うイベントで30年ぶりに開封されたものの、泥に覆われて判別が難しい状態となっていた。弘前市と弘前大が協力し、東日本大震災の被災地で用いられた文化財修復の手法で再生させた。

 カプセルは青森ヒバ製で大きさは縦45センチ、横60センチ、奥行き約30センチ。岩木山の標高と同じ数字が並ぶ平成元(1)年6月25日に開催された登山イベントで山頂近くに埋設された。
 改元を機に市が今年6月25日に行ったイベントで開封されたが、カプセル内は泥だらけ。市民らが入れた豆絞りや小銭が出てきたものの文書などは判読できず、現地での確認を断念していた。
 弘前大人文社会科学部の文化財科学研究室が調査に協力。「真空凍結乾燥機」でカプセルの中身を零下50度で凍らせ、真空状態で水分を2週間かけて飛ばした。
 研究室の片岡太郎専任講師(文化財科学)は震災で津波被害を受けた古文書などを修復する「文化財レスキュー」にも協力しており、その際の手法を用いたという。
 乾燥後に汚れを取り除くと、岩木山に五穀豊穣(ほうじょう)などを祈る「お山参詣」で身に着ける豆絞り、当時実施されたマラソン大会のゼッケンなどに書き込まれたメッセージが判読できるようになった。
 豆絞りの持ち主で「岩木登山ばやし保存会」の山本文彦さん(68)は「元号が変わっても登山ばやしが響く平和な世であってほしいとの思いで入れたはず」と懐かしんだ。
 片岡専任講師は「技術を応用して、地域に貢献できたのはうれしい」と話す。当時イベントを担当した市岩木総合支所の戸沢春次支所長は「現代の技術の高さに感動した」と語る。
 再生された約30点は、12月27日まで市岩木庁舎で公開されている。


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2019年09月07日土曜日


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