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<福島廃炉への道>レーザー除染が始まる

放射性物質の飛散防止のため行われたレーザー除染の試験の様子

◎8月1日〜31日

1日  東京電力は福島第1原発の1、2号機共通排気筒の解体工事に着手した。120メートルの高さを半分に切断し、巨大地震による倒壊リスクを低減するのが狙い。
2日  排気筒解体工事で、作業員2人が本格作業を始める前に猛暑による熱中症と診断されたため作業を延期。
6日  2号機原子炉格納容器で水素爆発を防ぐための窒素封入量が30分止まったと発表した。
7日  排気筒解体工事を再開した。輪切りにする作業が半分ほど進んだ段階で想定以上に刃が摩耗し、交換後に一つが動かなくなるトラブルが発生したため作業を中断した。
8日  原子力損害賠償・廃炉等支援機構は、溶融核燃料(デブリ)の最初の取り出しは2号機が適切とする方向性を初めて示した。本年度の「戦略プラン」要旨に盛り込んだ。デブリ取り出しは2021年に着手する。
    東京電力は、汚染水を多核種除去設備「ALPS(アルプス)」などで処理した水の保管量が、タンク容量の上限とされる137万トンに22年夏ごろに達するとの見通しを公表した。
19日  協力企業の40代の男性作業員が構内で体調不良を訴え、熱中症で病院に搬送される。
21日  排気筒解体工事を再開したが、カッターが作動しなくなる不具合があり作業を中断した。中断は3回目。
29日  フランジ型タンク解体で、レーザー除染の本格運用開始。
30日  排気筒解体工事を再開。通信異常などがあり、作業は中断した。
    協力企業の50代の男性作業員が体調不良を訴えて病院に搬送され、その後検査入院した。
31日  排気筒の解体工事を続行したが、午後7時半ごろに主発電機が燃料切れで停止した。

Q 汚染水をためるタンクの解体で、レーザー除染が始まった。目的は何か。
A タンクの内側にはトリチウムやコバルトなど多くの放射性物質が粉じん(ダスト)として付着している。解体作業でダストが飛び散る可能性があるため、作業前に抑制対策を施す必要がある。レーザー除染はダストの飛散を抑えるために活用されている。東京電力がゼネコンなどと共同開発した新技術で、大規模な実用化は国内初という。

Q どのように除染するのか。
A タンクの内側に高熱のレーザーを照射し、放射性物質の付着した塗装そのものを破壊する。はがれ落ちた塗装は集じん機で回収するので、タンク内の空気は浄化される。タンク内は外部に比べ気圧を下げているので、外部への飛散はない。

Q 従来の工法との違いは。どのようなメリットがあるのか。
A 従来はタンクの内側に特殊な塗料を塗り、放射性物質を固着していた。この場合、解体後にタンクの資材を改めて除染する必要があった。レーザー除染は解体後の除染の手間も大幅に省け、表面線量も7割程度減少する。解体終了までの作業員の被ばく線量も約3割抑えられる。

Q 他への応用は可能か。
A タンクだけでなく、構内で汚染された鋼材やコンクリートなどへの適用も検討している。ただ、レーザー除染のための設備は大がかりのため、狭いスペースでの作業は難しいという課題もある。


2019年09月07日土曜日


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