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<いぎなり仙台>おらほの裏方さん![5]レールの声に耳澄ます/仙台市地下鉄の保守業務 角張貴彦さん(44)本郷雄太郎さん(24)

レール交換の作業状況を確認する(右から)本郷さんと角張さん=仙台市地下鉄長町南駅付近

 終電後、街が寝静まった午前1時前。地下のトンネルが照らされ、保線工事の鋭い金属音が耳を突く。
 仙台市地下鉄南北線の長町南駅付近(太白区)であったレール交換。工事の進行を管理する市交通局係長の角張貴彦さん(44)と本郷雄太郎さん(24)が2本の継ぎ目に目を凝らす。
 交換箇所は北行きと南行きの線路をつなぐ「渡り線」の短いレールで、有事に折り返し運転する時に使用される。「接続部分に段差が生じないよう、ミリ単位での管理が欠かせない」。保守業務に20年近く携わる角張さんが言う。
 南北線を管轄する富沢管理事務所の軌道土木係は、線路の点検や整備などが主な役割だ。平日の最終と始発の間の午前1〜5時、職員14人が交代で委託業者とともに現場に出る。
 「安全性はもちろん、つり革につかまる必要がないほど揺れを抑えるのが目標」と角張さん。わずかな段差も乗り心地に影響し、レール同士の溶接部が落ち込むと「ガタンガタン」と音を立てる。電車に乗り、レールの声に耳を澄ます。
 猛暑日には熱でレールが伸びないよう、地上を走る泉中央−八乙女間で水をまいて冷ますことも。職員の陰の苦労が安全運行を支える。「プレッシャーを感じるけれども、何事もない日々の運行がモチベーション」と誇りをにじませる。
 空が白み始めた午前5時前、作業が無事終わった。いつもと変わらず始発が動きだす。ほっと胸をなで下ろした。
(吉田尚史)

[仙台市地下鉄南北線]1987年に八乙女−富沢間で開業。92年に泉中央まで延伸した。営業区間は約15キロ。富沢管理事務所(太白区)には軌道土木係のほか、車両や駅などの施設を管理する担当係が配置されている。


2019年09月10日火曜日


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