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遊覧船「ふぇにっくす」最終運航、27年の歴史に幕 乗組員高齢化で廃業

最後の周遊を終えて帰港する遊覧船を迎える市民ら。後方にアクアマリンふくしまが見える

 東日本大震災の津波で被災した福島県いわき市の小名浜港が拠点の観光遊覧船「ふぇにっくす」(118トン、定員165人)が8日に運航を終了し、27年間の歴史に幕を下ろした。乗組員の高齢化などが廃業の理由。最終日は多くの乗客が福島県内唯一の海上観光遊覧を楽しみ、別れを惜しんだ。
 最終日は午前、地元の幼稚園児35人が乗船前に歌を披露して乗組員らをねぎらった。小名浜港周辺を約50分で巡る定期便が6回運航され、乗客はカモメなど海鳥への餌やりを最後まで堪能した。
 10回以上乗ったという市内の中学2年鈴木陽菜(ひな)さん(14)は「普段は見られない景色がある。震災を経験した海を全国の人に見てもらいたいので、終わるのは悲しい」と話した。最終便は午後4時前に「蛍の光」が流れる中で帰港。市民らが手を振って出迎えた。
 遊覧船は1992年の就航で、小名浜の観光資源の先駆けとなった。水族館「アクアマリンふくしま」なども開館し、最多で年7万人が利用。東京電力福島第1原発事故後に休業を余儀なくされ、約1年後に2隻を1隻に絞って再開した。
 利用客は4万人まで回復したが、従業員9人中7人が60〜70代と高齢化。運航会社いわきデイクルーズの鈴木秀夫社長(67)は「小名浜の観光地化という目的は果たせた。無事に運航を終えられ、皆さんの記憶に残ることができたと思う」と支援に感謝した。


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2019年09月10日火曜日


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