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銀行員からプロバスケ選手へ B2仙台・阿部 石巻出身「被災地元気づけたい」

開幕に向けて練習する阿部(左)=10日、仙台市青葉区の仙台大明仙バスケ・ラボ

 元銀行員のプロバスケットボール選手が誕生した。Bリーグ2部(B2)仙台の阿部翔太(25)は、仙台銀行を退職後、練習生を経て今季プロ契約をつかみ取った。開幕戦は21日。東日本大震災で打撃を受けた宮城県石巻市出身ということもあり、「プレーする姿で被災地を元気づけたい」と意気込む。

 身長190センチの大柄ながら、速攻に絡むことができるスピードが最大の強みだ。開幕へ向けた練習でも迫力のある動きを見せ、レギュラー取りへ必死に取り組んでいる。
 東北学院高(仙台市宮城野区)でセンターとして活躍し、2010年の全国高校選抜優勝大会で同校初の16強入りに貢献。進学した立大でも主力としてプレーした。
 震災時は高校2年生。石巻の実家にも津波が押し寄せ、通学に使っていた鉄路が被災したため卒業まで仙台市内で1人暮らしするなどした。プロ入りも視野にあったが、「宮城で復興に携われる仕事を」と16年春に仙台銀に入行した。
 1年目は本店で融資窓口を担当。デスクワークでは大きな体はさらに目立つ。2年目は石巻支店で営業活動に携わった。「お客さんの第一声は必ず『大きいね』か『何かスポーツやってるの?』だった」と振り返る。
 転機となったのは18年秋の福井国体だ。成年男子宮城チームの一員としてB2仙台との練習試合に出場し、プロを相手に納得のいくプレーができた。「頑張り次第でやっていけるのではないか」。抑え込んでいた気持ちが一気に膨らみ、退職届を提出した。
 10月から練習生となったが無給。貯金を切り崩しながらの生活を続けた。ひたむきな姿がチームに評価され、今年5月プロ契約を結んだ。
 これまで石巻市出身のプロバスケ選手はいない。「バスケ漬けの毎日。楽しくてたまらない。できることならずっと仙台でプレーしたい」と目を輝かせた。


2019年09月11日水曜日


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