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<震災8年半アンケート>災害公営住宅、65歳以上が4割超す 生活保護受給増える

 東日本大震災の被災者向けに整備された岩手、宮城、福島3県の災害公営住宅(復興公営住宅)の入居者計5万516人のうち、65歳以上の高齢者が42.3%を占めることが10日、河北新報社の自治体アンケートで分かった。2016年の前回調査から3.4ポイント上昇し、3県全体の高齢化率より12.3ポイント高い。国の復興・創生期間は20年度で終了するが、高齢者対策の継続と強化が求められる。(報道部・東野滋)
 災害公営住宅は3県で計2万9392戸(計画比98.5%)が完成し、集合住宅型の割合は7割に上る。入居する高齢者は岩手4008人、宮城1万2257人、福島5084人の計2万1349人だった。
 県別の災害公営住宅の高齢化率と、入居者が100人以上いる36市町村の災害公営住宅の高齢化率上位は表の通り。前回調査で37.8%だった宮城は4.0ポイント上昇し、いずれの県も4割を超えた。各県全体の高齢化率と比べると岩手は11.6ポイント、宮城は14.3ポイント、福島は10.6ポイントそれぞれ高かった。入居する2万7001世帯のうち、1人暮らしの高齢者は7921世帯で独居率は29.3%だった。
 災害公営住宅の管理を担い、コミュニティー形成の核となる自治組織は627団地のうち302団地(48.2%)が単独で設立した。このほか260団地(41.5%)が地域の自治組織に加入し、合計すると全体のほぼ9割が自治活動に取り組んでいた。
 生活保護を受給するのは少なくとも1376世帯で、前回調査の772世帯から約1.8倍に増えた。単身の高齢者ら経済的に苦しい入居者の貧困対策が今後さらに重要性を増しそうだ。
 空き戸数は2197。今後も入居者の死去などに伴う増加が見込まれ、家賃収入の減少を懸念する自治体は多い。現時点で17市町村が計1346戸の払い下げを想定し、既に相馬市が20戸を入居者に売却した。
 復興庁は21年度以降も後継組織が置かれる方向だが、期間や財源は不透明だ。アンケートの回答では、引き続き国に求めたい支援として「見守り活動の予算措置」「家賃低減事業への補助」「自治会の担い手確保策」などが挙がった。
 一部の自治体は、災害公営住宅を被災していない一般の住民にも提供。岩手321人、宮城2323人、福島120人の計2764人が暮らしている。

[調査の方法]災害公営住宅を建設した岩手、宮城、福島3県の55市町村と県営で整備した岩手、福島両県の計57自治体が対象。7月下旬以降、アンケートを送り、全自治体から回答を得た。市町村数の内訳は岩手14、宮城21、福島20。記入の基準日は主に6〜8月。自治体全体の高齢化率は福島県の一部町村を除き、各県の最新の統計を用いた。


2019年09月11日水曜日


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