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宮城県畜産試験場、2年前から汚染牧草すき込み 「説明ない」住民反発し中断

説明会の冒頭、周辺住民に謝罪する県の担当者

 宮城県畜産試験場(大崎市)は12日までに、東京電力福島第1原発事故で生じた国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の汚染牧草を場内の草地にすき込む処理を中断した。処理は2017年から実施してきたが、周辺住民に事前の説明をしなかったことで反発を招いた。

 試験場によると、汚染牧草は全て場内のもので計約259トン生じた。4年間で処理する計画を立て、昨年までの2年間で計124トンをすき込んだ。
 今年のすき込み作業の準備をしていた8月上旬、作業用の重機を見掛けた住民から問い合わせを受け、県は急きょ作業を中断。初めて説明会を開いた。
 試験場のある大崎市岩出山の薬師地区約60世帯は、大半が地下水(井戸水)を飲んでいる。住民側から健康不安や試験場への不信の声が相次いだため、19、20年で残り135トンを処理する計画は白紙撤回した。
 牧草の放射性セシウム濃度は11年時点で96〜1390ベクレルで、17年にすき込んだ牧草は93〜313ベクレルだったという。すき込みできる国の暫定許容値は400ベクレル以下。試験場のように、生産された農地に戻す場合は8000ベクレルまで可能となる。
 試験場の漆山昌芳草地飼料部長は「場内で完結する話と捉えて粛々と進めたが、住民への配慮が全く足りなかった。信頼関係を築けるまで処理を止めて、丁寧に説明する」と陳謝した。
 12日は試験場で2回目の説明会を開催し、住民約20人が出席した。県の担当者は空間線量などの計測値に問題がない点を説明。土壌や水質のモニタリングを外部委託する方針を示し、理解を求めた。住民からは「説明なくすき込んだ場所はそのままにするのか」といった意見が上がった。
 大崎市や隣接する加美町は、すき込みを実施する前に説明会を開催している。住民の反対も根強くあり、処理に時間を要している。


2019年09月13日金曜日


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