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<いぎなり仙台>おらほの裏方さん![7]円滑審理へ手続き整理/仙台地裁刑事部書記官 長島正志さん(32)

刑事事件の公判調書を作成する長島さん

 裁判官を支え、審理を円滑に進める準備などに当たるのが裁判所の書記官だ。
 多くの時間を書記官にだけ権限が与えられた公判調書の作成に費やす。裁判は書記官の立ち会いなしに開けない。黒の法服をまとい、裁判官が座る法壇の下の席で調書の基になる訴訟の要点や手続きを記録する。
 仙台地裁の長島正志さん(32)は任官8年目の中堅書記官。同地裁民事部などを経て2年前から刑事部に所属する。
 「チームで出した結論が訴訟進行に寄与すると達成感がある」。法学部に在籍した大学時代、漠然と抱いた憧れは実感に変わった。
 弁護士や検察官らと裁判官をつなぐ役割も求められる。検察官らの予定や立証方針を聞き取り、審理計画を立てる。裁判官とも密に連携し、必要な手続きを整える。「常に先を読んだ情報収集が肝心」と言う。
 被害者が参加する裁判では被害者に配慮し、被告らとの接触を避けるため、ついたてを設ける。書記官は、被害者の導線を徹底的に確認する公判のリハーサルをすることもある。
 孤独に見える仕事だが、「チームの仕事」と長島さんは言い切る。職場には、個人の課題を全員で共有する風土があるという。
 裁判は失敗が許されない。「問題なく終えられた」という裁判官の総括が身に染みる。最良の選択を積み重ねた先に、たどり着く結果。「もっと周囲の信頼を得て、円滑な審理に生かせる仕事をしたい」と精進を誓う。
(柴崎吉敬)

[裁判所書記官]高度な法律知識を要することから、裁判所職員として勤務後、裁判所職員総合研修所(埼玉県)の試験に合格し、1、2年の研修を受けた後に任官される。仙台地裁によると、2019年4月現在、同地裁本庁勤務の一般職員180人中91人が書記官。


2019年09月13日金曜日


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