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福島第1原発事故の象徴・排気筒の解体難航 トラブル続出、2日の予定が1カ月

日没後も続いた筒頂部の解体作業。完了まで1カ月を要した=8月30日午後6時50分ごろ(代表撮影)

 廃炉作業が進む東京電力福島第1原発で、1、2号機の共通排気筒(高さ120メートル)の解体工事が難航している。8月上旬に着工した後、トラブルが続いて最初の工程である筒頂部の解体に1カ月を要し、第2工程も機器の不具合で着手できない。東電は来年3月末までの解体完了を目指すが、視界は不良だ。
 共通排気筒は放射性物質を含む蒸気を外部に放出するベントに使われ、水素爆発を起こした1、2号機とともに事故を象徴する構造物として残った。
 爆発の衝撃で部材の一部に破断が生じたため、東電は筒の上半分を輪切り状に解体する工事に着手。周辺は放射線量が高いことから作業は遠隔操作で行う。
 8月1日に始まった工事は当初2日間で終える予定だったが、相次ぐトラブルで目算が狂った。2日は作業員が熱中症にかかる恐れが生じたため中止し、7日と21日はカッターが作動しなくなるトラブルなどで中断した。
 4度目の作業となった30日も、無線の通信異常などで中断。31日には解体装置を動かす発電機の燃料が切れ、ゴンドラで筒頂部まで運ばれた作業員3人が給油してしのいだ。9月1日午後4時10分ごろ、ようやく筒頂部を地上に降ろすことができた。
 相次ぐトラブルに関係者は厳しい視線を注ぐ。2日にあった原子力規制委員会の会合では委員から「満身創痍(そうい)というイメージだ。作業をこのまま続けていいのか」と懸念する声が出た。
 東電は11日、第1工程の不具合の原因と対策をまとめたペーパーを公表し、12日に第2工程に入る方針を発表した。しかし作業前の12日未明に通信異常が見つかり、同日中に着手できなかった。原因調査に7〜10日かかるという。
 本年度中としている共通排気筒全体の解体完了に関しても、修正に含みを残す。東電の担当者は12日の記者会見で「まずは工程を積み上げ、年度内に終わるかどうかを説明したい」と述べた。


2019年09月16日月曜日


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