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<MGC>仙台育英高出身の服部、2位で男子代表の座を手に 東京五輪マラソン選考会

東京五輪男子マラソン代表に決まり、表彰式で笑顔を見せる服部=東京・明治神宮外苑
女子7位でレースを終え、笑顔で引き揚げる福士=東京・明治神宮外苑

 五輪の花形競技、マラソン。厳しい残暑となった15日、2020年東京大会の代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)で仙台育英高出身の服部勇馬(25)=トヨタ自動車=が2位に入り、男子代表の座を手にした。女子で5大会連続五輪出場を目指した青森・五所川原工高出身の福士加代子(37)=ワコール=は7位に終わり、今大会での代表入りはならなかった。本番とほぼ同じコースで繰り広げられたレースで、東北関係選手の明暗はくっきりと分かれた。

■服部・鍛錬重ね夢舞台

 42キロ手前、服部は日本記録を持つ大迫傑(すぐる)(ナイキ)を抜き返した。デッドヒートを制し、手をたたいて右手を突き上げフィニッシュ。「大学生の時から目指していた舞台。五輪のスタートラインに立てるのがうれしい」と喜んだ。
 「とにかく嫌な練習をやり続ける」。目標のために妥協を許さなかった。終盤に上り坂のある今回のコースを想定し、負荷のかかるメニューを自ら提案した。
 普段は愛知を拠点に練習する。買い物や治療で東京に用事があれば、時間を見つけてコースを試走した。「通しではないが、たぶん5〜8回は走っている」。一発勝負に懸ける思いは誰よりも強かった。佐藤敏信監督は「自分からメニューを言ってくるところが強い選手。練習から意識が高かった」とたたえた。
 仙台育英高時代は3年連続で全国高校駅伝に出場。2年の時はエースとしてチームを支え、4位入賞に貢献した。世界クロスカントリー選手権にはジュニア日本代表として挑み、世界へ羽ばたく礎を築いた。進学した東洋大では箱根駅伝で活躍し、4年生でマラソンに初挑戦した。
 日本男子マラソン界は低迷を続けてきた。東京五輪で復活を託される存在となる。「メダルは簡単ではない。しっかり練習に取り組みたい」。レース中と変わらない落ち着いた表情の裏で責任感をにじませた。

■福士・内定逃すも強気

 福士は7位に終わり、東京五輪出場内定を逃した。優勝した前田穂南(天満屋)と8分以上の差をつけられる苦しい展開だったが、次戦を見据え「東京五輪の試走だと思えば」と強気の姿勢を崩さなかった。
 前田が抜け出すレース展開の中で徐々に遅れだし、最後まで上位との差が縮まることはなかった。「駄目のまま駄目で終わった」。途中棄権の考えもよぎったと言うが「次のレースのことも考え、今できる走りで完走を目指した」。
 気温30度近い気象条件はベテランにとって厳しい条件だった。レース後、報道陣の取材に応じている間も、何度も脚がつって話が止まった。それでも疲労は笑顔で隠し、言い訳めいた言葉は一切口にしなかった。
 女子マラソンで日本人トップの14位に入った前回2016年リオデジャネイロ五輪をはじめ、4大会連続で出場してきた女子長距離のレジェンドだ。最後の切符を懸け、12月〜来年3月のファイナルチャレンジ大会に挑む。設定記録2時間22分22秒を切れば五輪が近づく。
 自己ベストは2時間22分17秒。「2時間22分22秒? はああ…。分かってくれた? 今ので」。簡単ではない壁の前にため息はついても、できないとは言わなかった。


2019年09月16日月曜日


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