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<展望 郡市政>仙台市長1期目折り返し(上)中立の対価/自公軟化 融和ムード

当選祝いに駆け付け、山下氏(右)と握手する郡氏。選挙戦では中立を保った=8月26日未明、仙台市宮城野区

 郡和子仙台市長(62)は8月22日に1期目の任期を折り返した。就任から2年間は市議会との関係構築に苦心したが、25日投開票の市議選後は関係性に変化の兆しが見られる。建設地を巡り意見が割れる音楽ホール整備など、市政は政治決断が迫られそうなプロジェクトが控える。待ち受ける課題をどう乗り越えるのか。郡市政の後半を展望する。
(報道部・横川琴実)

 初陣を飾ったまな弟子を元師匠は褒めちぎった。
 「おめでとう。よくやったわね」。市議選の開票が終わり、日付が変わった26日未明。郡氏は立憲民主党新人の山下純氏(33)の選挙事務所を訪ね、宮城野選挙区でのトップ当選を祝った。山下氏は郡氏の衆院議員時代を支えた元秘書。師弟は短く握手を交わし、絆を確かめ合った。

■2選挙 動かず
 郡氏が身を置いた旧民進党を源流とする立民は市議選で6人全員が当選し、改選前の2議席から大幅に増やした。3議席の国民民主党と統一会派「民主フォーラム仙台」を結成し、公明党と並ぶ第2勢力に躍り出た。
 ただ、この躍進劇に郡氏は関わっていない。「特定候補の応援はしない」と中立を貫いた。2017年の市長選で旧民進、共産、社民3党の応援を受けた郡氏。「選挙の恩は選挙で返すと言われるが…」と悩んだ末に出した結論だった。
 市長就任後、待ち受けていたのは「少数与党」の市議会。いじめ防止条例の制定など公約の実現のため、難しい対応を迫られる場面が続いた。とりわけ、市長選で対立候補を推した最大会派の自民、公明両党との関係には心を砕いた。
 市議選は「仕切り直すチャンス」(市幹部)と選んだ中立のスタンス。改選後も自民、公明で過半数を占める構図は変わらず、両党とも郡氏に「是々非々で臨む」と強調するが、態度は軟化しつつある。
 「市議選、7月の参院選で、誰かの応援に動かなかったことをわれわれは見ている」。ある自民議員は郡氏の対応を評価し、改選前の対決姿勢を封印する。

■共産は「冷遇」
 与野党の溝が深かった議会内にも融和ムードが広がる。9日の臨時会の正副議長選は自民、公明の各候補がほぼ全議員の信任を得た。5常任委員会の正副委員長ポストは自民、公明と民主フォーラム仙台の3会派で分け合った。
 郡市政の政治基盤は市議選を境に「安定」へと向かい始めた。市幹部は「与野党色が薄まれば議会対応がやりやすい」と歓迎する。
 一方で、郡市政誕生の一翼を担った共産とは距離が目立つ。昨年12月の定例会では、同党の代表質疑に1問しか答えず「冷遇」を演出。今年1月の各党の新春行事も共産にだけ出席しなかった。「共産との決別を求める自民に配慮した」との見方がもっぱらだ。
 ベテラン議員は1期目後半の郡市政をこう見通す。「郡氏が2年後の市長選をどう考えるかにもよるが、今のままなら前市政までと同様、共産を除くオール与党体制になるだろう」


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2019年09月17日火曜日


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