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<MGC>服部「悔しい気持ち上回る」 東京五輪代表決定の4人が心境語る

MGCで五輪代表に決まり、一夜明けて記念撮影に応じる(左から)鈴木、前田、中村、服部

 15日に行われたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で2位までに入り、東京五輪代表に決まった男女4選手が16日、一夜明けて東京都内で取材に応じた。男子2位の服部勇馬(トヨタ自動車、仙台育英高−東洋大出)は「(代表に決まり)ほっとしたけれど、悔しい気持ちが上回り始めた。勝ちにいくレースができなかった」と振り返った。

 男子優勝の中村匠吾(富士通)はこの日が27歳の誕生日。関係者からケーキをプレゼントされ、笑顔で「代表として恥じない努力をしていきたい。銅メダルは十分に届く範囲」と話した。女子を制した前田穂南(天満屋)は「少しずつ実感が湧いてきた」、女子2位の鈴木亜由子(日本郵政グループ)は「身が引き締まる思い」と語った。
 レース直後の安堵(あんど)感は、優勝を逃した悔しさに上書きされつつある。「自分から仕掛けて勝ちにいかなかった」「何もできなかった」。服部の柔和な表情から次々に反省の言葉が漏れた。
 39キロ地点で、優勝した中村のスパートを見送った。「体は動いていたが(付いて行く)勇気がなかった」。力を残しておけば2位になれるという計算が働いた。選考ルールを踏まえた好判断が、一夜を経て弱気の表れに映る。
 確実に五輪切符をつかむ走りに徹するのは当然の戦略だ。ただ、アスリートの本能がそれを許してくれないのか、すっきりと心が晴れない様子だ。
 昨年12月の福岡国際で優勝するまで、マラソンで目立った実績はなかった。日本記録保持者の大迫傑(すぐる)(ナイキ)らと並び4強と注目されても「まだ力はない。胸を借りるつもりで走った」。謙虚に自分を見つめていた。最高ではないが、十分な結果を手にした。
 自己ベストは日本記録に1分40秒近く及ばず、アフリカ勢はさらにその先を行く。「自分の最大限の(力を出す)走りをしたい」。MGCで見せた冷静さに度胸を併せ、世界に挑む。
(東京支社・佐藤夏樹)


2019年09月17日火曜日


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