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<展望 郡市政>仙台市長1期目折り返し(中)決断の連続/正念場へ指導力演出

記者会見で照明灯問題の和解合意を発表し、損失額の穴埋めを管理職に求めた理由を説明する郡氏=11日、仙台市役所

 市政最高責任者の政治判断を印象付ける記者会見だった。
 仙台市が道路照明灯の電力契約を解除し忘れた問題で、郡和子市長は11日、東北電力との和解案を踏まえ、市の損失3440万円の半額の穴埋めを管理職に任意で求めると発表した。
 「組織としていま一度、公務の責任を心に刻むべき案件。問題に関与していない職員を含め、お願いするという私の思いだ」と説明した。
 解約漏れを長年放置し、推定9200万円の過払いが発覚した不祥事。「税金を無駄にした」という市民の批判を受け止め、一部弁償ながら市も責任を取ることを決断した。郡氏自身も給与を減額する。

 ◇民営化にかじ

 中央官僚や市職員出身の市長が続き「身内に甘い体質」を指摘されてきた仙台市。故島野武氏以来、三十数年ぶりに登場した「外様」の郡氏は市役所改革で大なたを振るうことが期待されたが、任期前半は際立つ成果に乏しかった。
 「リーダーシップが見えない」「職員に懐柔されている」。市議会からは不満や批判が相次いだ。郡氏も不慣れからか「『支えてくださいね』と頼ってくる場面もあった」(市幹部)といい、求心力に疑問符が付いていた。
 転機は今年2月、市ガス事業民営化に向けた公募再開の表明だったとされる。再開の可否判断を先送りした前市長時代から一転、民営化前進にかじを切った。表明を決めたのは市議会で質問される当日の朝。電光石火の決断で周囲を驚かせた。
 市幹部は「電力とガスの小売り自由化で競争環境が変わり、やるなら今だと思ったのだろう。トップの判断で市政を大きく動かしたという、分かりやすい実績を作りたかったのかもしれない」と胸中を推し量る。

 ◇公園か広場か

 任期後半の市政運営に入り、指導力を発揮する場面を増やす郡氏。次のヤマ場は、2000席規模の音楽ホールを建設する場所の決定だ。市は年度内に基本構想の策定に着手する考えで、郡氏は早ければ年内にも決断するとみられる。
 公表された候補地は青葉区の7カ所。うち6カ所は西公園など市中心部の公園で、残る1カ所は広瀬川の西側、市地下鉄国際センター駅北隣のせんだい青葉山交流広場。事実上、公園か広場かの選択になる。
 公園への整備は、緑化政策を議論する市の審議会が「空き地じゃない」と反発する。広場への建設は、市中心部の回遊性を高めるための「起爆剤」を失うことになる。
 「どちらを選んでも批判は免れない。どう決断し、どう市民を納得させるのか。トップとしての真価が問われる」。ベテラン市議は難しい決断に向かう郡氏の一挙手一投足を注視する。


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2019年09月18日水曜日


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