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キク生産で地域を活性化 男鹿の若手農家集団、奮闘「若い人たちの職業選択の一つに」

1メートル以上に成長したキクをやすやすと刈り取る農機と、その性能に驚く吉田さん(左端)ら

 秋田県男鹿市の若手農家たちが、仏壇や墓に供える仏花として広く扱われるキクの生産による地域活性化に奮闘している。平均年齢34歳の農家集団は、最新技術を活用したスマート農業で生産性や品質の向上を追求。高まりつつある市場評価を追い風に、地域ブランドを確立しようと意気込む。

 男鹿市船越のキク畑に12日、収穫作業を担う最新の専用農機が投入された。約25メートルに並ぶキクを次々と刈り取って袋の中に束ね、成長した茎が倒れないよう支えていたネットも巻き上げて回収した。
 計50メートル分を刈り終えるまでわずか10分ほど。通常は2人での鎌による手作業で1時間以上かかるという。
 「ここまで省力化できるとは本当にすごい」。就農7年目の吉田洋平さん(29)が声を弾ませた。20〜40代の地元農家8人と、露地・ハウス栽培によるキク生産を手掛ける。
 秋田県が推進する園芸メガ団地の整備でキク畑は7.2ヘクタールに拡大。2015年に約3000万円だった販売額は、18年には倍の6000万円を超えた。今年は1億円を目指す。
 キク生産は手作業に委ねる部分が多く、品質にばらつきが出やすい面がある。労働力不足の解消や品質の安定が求められる。
 こうした課題と向き合う吉田さんたちのキク畑は3月、農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市)によるスマート農業技術の実証地域に選ばれた。
 効率的な散布で肥料を節減する農機や苗の半自動移植機を導入するなどし、底上げを図っている。そうした実践の一環で12日に投入した専用農機は刈り取りを一斉に行える利点はあるが、キクの成長具合が一定にそろうことが必要だった。
 そのため夜から朝方に赤色のLED(発光ダイオード)電球でキクを照らし開花時期を調整。全体の成長を均一に近づけ、高値で取引される草丈の長いキクに育て上げた。質と量を両立できる増産体制を整えつつ、スマート農業化の模索を続けている。
 秋田県農業試験場野菜・花き部の山形敦子主任研究員は「作業量を減らした上で需要期に集中出荷できるスマート農業は、少人数で担う地域営農と相性がいいはずだ」と強調する。
 「農業を若い人たちの職業選択の一つにしたい」と語る吉田さん。営農の魅力を感じながら稼げるモデルの構築を見据える。


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2019年09月18日水曜日


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