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仙台・被災ビル被害認定訴訟 元所有者側の請求を棄却

 東日本大震災で被災した仙台市青葉区の雑居ビルの売買契約で、買い主の冠婚葬祭業清月記(仙台市)が不当に利益を得たとして、元所有者の男性(東京)が清月記に公費によるビル解体費分約7600万円の返還を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は18日、元所有者の請求を棄却した。元所有者側は控訴を検討する。
 南雲大輔裁判官は「元所有者は売買時に、解体の公費負担が売却額に影響するかについて積極的な関心がなかった」と指摘。ビル売却は元所有者の債務整理の一環だったため「仮に解体費用の公費負担の有無の点で錯誤があったとしても、錯誤がなければ売買を行わなかったとは考え難い」と判断した。
 判決は、市が契約の2日前にビルの被災認定を「半壊」から公費解体対象の「大規模半壊」に変更したことに関し、元所有者が調査の最終結果を確認せずに契約に及んだ点を強調。元所有者側の「買い主が建物の撤去費用を負担しない場合、土地の更地価格を基準に売買代金を決めるのが取引慣行だ」との主張を退けた。
 判決によると、元所有者は2012年3月29日、被災したビルと土地を1億3500万円で清月記に売却。市は契約2日前にビルの被害認定を公費解体の対象となる「大規模半壊」とし、解体費約7600万円を公費で賄った。


2019年09月19日木曜日


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