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東電旧経営陣3人に無罪判決 東京地裁、福島第1原発事故の刑事責任初判断

入廷する勝俣元会長=19日午前11時50分ごろ
入廷する武黒元副社長=19日午前11時50分ごろ
入廷する武藤元副社長=19日午前11時50分ごろ

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の元会長勝俣恒久(79)、ともに元副社長の武黒一郎(73)、武藤栄(69)の3被告に対し、東京地裁(永渕健一裁判長)は19日、無罪(求刑禁錮5年)とする判決を言い渡した。第1原発事故の刑事責任に関する司法判断は初めて。
 最大の争点は、高さ10メートルの原発敷地を越える津波襲来を予測できたかどうか。東電は2008年3月、原発を最大15・7メートルの津波が襲うとする試算を把握しており、試算の根拠となった国の地震予測の信頼性が焦点となった。津波襲来を予測できたとした場合、事故を防ぐ余地があったかどうかも争われた。
 検察側は「3人は試算の重大性を認識し、深刻な事故の発生を予測できた。防潮堤の設置や運転停止などの措置により、深刻な事故は防げた」と主張。弁護側は「地震予測には十分な信頼性がなく、大津波は予測できなかった。仮に試算に基づいて対策をしていても事故は防げなかった」と3人の無罪を求めていた。
 起訴状によると、3人は東電役員として第1原発の運転や安全保全業務に従事。原発を襲う津波を予測できたのに対策をせず、事故で福島県大熊町の双葉病院患者らに長時間の避難を余儀なくさせ、44人を死亡させたなどとしている。東日本大震災では最大15・5メートルの津波が原発を襲った。
 東京地検は3人を2度にわたり不起訴処分としたが、検察審査会はその都度「起訴すべきだ」と議決。地裁から選任された検察官役の指定弁護士が16年2月に起訴し、今年3月の結審まで37回の公判が開かれた。
 避難者らが提起した各地の民事訴訟では「大津波は予測でき、事故は防げた」とし、東電の過失を認める判決が相次いでいた。


2019年09月19日木曜日


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