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仙台圏の上げ幅拡大、他は落ち込む 基準地価、被災地の下落幅広がる

 宮城県が19日公表した2019年度の県内基準地価(7月1日時点)は全用途平均で1.9%上昇し、7年連続のプラスとなった。仙台市と周辺市町村は市街地回帰や中心部の再開発で住宅地、商業地ともに上げ幅が拡大。下落傾向にある他市町との差がさらに広がった。

■住宅地

 前年度から継続調査している265地点中、100地点が上昇した。平均変動率は0.9%で、前年度と同じ上げ幅だった。横ばいは19地点。半数超の146地点が下落した。
 市町村別では仙台市が6.0%のプラスで、59地点中56地点で上昇した。3地点は横ばい。上昇率上位には市中心部の再開発事業やマンション建設が周辺で進む地区が並んだ。
 市中心部の高値感を敬遠する子育て世代の需要が周辺部に波及。青葉区高野原3丁目や太白区泉崎1丁目、名取市美田園4丁目が10位以内に入った。仙台市周辺9市町村の平均は前年度比0.6ポイント増の3.2%。
 仙台圏以外の25市町は、大河原、柴田両町を除く23市町で下落した。人口減が進み、交通や買い物の利便性が低い地域で住宅市場の動きが鈍い。平均下落率は前年度を0.2ポイント下回る1.4%だった。

■商業地/仙台全43地点上昇

 継続調査95地点中、58地点が上昇した。仙台市は43地点全てで前年度を上回った。県内の上昇率上位10地点を同市青葉、宮城野両区が占めた。
 仙台市宮城野区榴岡3丁目、同4丁目などJR仙台駅東口エリアは再開発事業や商業施設の充実が要因。青葉区上杉地区は東北大雨宮キャンパス跡地の再開発がけん引し、上昇率上位10地点に3地点が入った。
 マンション需要の高まりを背景に、地元や県外の業者による用地取得があった地域も上昇した。東北地方整備局跡地に近い青葉区国分町3丁目や同区木町通1丁目などで上がった。
 仙台市以外の52地点中、上昇は15地点にとどまり、横ばいが8地点、下落が29地点だった。市町村別の下落率は南三陸町2.6%、蔵王町2.4%、松島町2.0%と、特に仙台圏以外の町で落ち込みが大きかった。

■被災地/下落幅より広がる

 東日本大震災で被災した沿岸の仙台市を除く14市町では、名取、多賀城、岩沼、利府の4市町で上昇、10市町で下落した。下落幅は広がる傾向にあり、復興事業や集団移転が進み、土地需要が減ったことが要因とみられる。
 下落した主な被災市町の平均変動率(全用途)は、気仙沼市マイナス1.7%、石巻市同1.0%、山元町同3.6%、亘理町同2.9%、南三陸町同1.6%など。
 14市町で2017年度から継続調査している117地点中、68地点で前年度を下回った。うち44地点の下落幅が拡大した。山元町高瀬で前年度を2.5ポイント下回るマイナス5.9%、気仙沼市本吉町馬籠町で2.4ポイント下回る同3.9%などとなった。
 千葉和俊不動産鑑定士(仙台市青葉区)は「子育て世代の住宅新築や高齢者の高台移転が一段落した。買い物などの利便性によって価格が下がる地点と踏みとどまる地点がはっきりしてきた」と説明する。


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2019年09月20日金曜日


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