福島のニュース

福島被災者ら落胆「責任逃れだ」「対策できた」「支援今後も」 東電旧経営陣無罪

 東京電力旧経営陣公判で3人全員に無罪判決が出た19日、東電福島第1原発事故に伴う避難生活や風評被害に苦しむ福島県の被災者は怒りや落胆を隠さなかった。「無罪で終わりでない」。刑事裁判の高いハードルを複雑な思いで受け止め、事故の教訓の継承や被災者支援の継続を求めた。
 「あり得ない。人災なのに責任逃れだ」。浪江町から南相馬市に避難する主婦鶴島孝子さん(61)は絶句した。「長期の避難で家族はばらばらになり、いっときも安らげなかった。一生引きずっていかなければならないのか」と憤った。
 郡山市から青森市に避難する主婦(38)は「自主避難では家族の人間関係がぎくしゃくし、つらい思いをした。『原発事故さえなければ』との思いは強い。刑事責任が認められず、残念だ」と語った。
 厳格な立証が求められる刑事裁判の限界を指摘する声も出た。
 全町避難が続く双葉町から埼玉県加須市に避難する菅本章二さん(63)は「刑事責任を問えるほど巨大津波を具体的に予見できなかったとの判断はやむを得ない。ただ、何らかの津波対策はできたのでないか。教訓にすべきだ」と話した。
 「なぜ事故が起きたのかを解明してほしかった」と残念がるのは、会津若松市でホテルを経営する山崎捷子さん(80)。市内の教育旅行は事故前の8割しか回復せず「無罪だからといって避難者支援や風評被害対策をおろそかにしてはならない」と東電や国に注文した。


2019年09月20日金曜日


先頭に戻る