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東電「コメントしない」 旧経営陣に無罪判決

 東京電力福島第1原発事故を巡る東電の旧経営陣公判で被告3人が無罪判決を言い渡されたことを受け、同社と東北電力、内堀雅雄福島県知事は19日、それぞれ談話を出した。
 「コメントを差し控える」とした東電の談話は主文の言い渡し直後、文書で発表された。福島県民らに謝罪の思いをつづったが、判決に対する具体的な評価は避け「福島復興を原点に、原発の安全性強化対策に不退転の決意で取り組む」と記載するにとどめた。
 第1原発構内で同日あった廃炉作業の定例記者会見でも広報担当者が同じ談話を読み上げただけで、肝心な質問には「回答を控えさせていただきたい」と繰り返した。記者から「『誠心誠意、全力を尽くす』という談話を出しながら真心が全く見えない」と追及される一幕もあった。
 社内では「3人無罪」を予想する社員が大方を占めていたとみられる一方、複雑な思いで判決を受け止める社員もいた。
 ある社員は取材に「10年以上前に経営者が15メートル超の津波が襲来することを想定し、すぐに対策を講じることは難しかっただろう」と釈明しつつも「原発事故の道義的責任が会社にあることに変わりはない。復興に取り組むことで責任を果たしていきたい」と話した。
 いずれも福島第1原発と同じ沸騰水型炉の女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)、東通原発(青森県東通村)の再稼働を計画する東北電力は「司法の場で下された判断であり、当事者でもないことからコメントは差し控えたい」とした。
 内堀雅雄福島県知事も談話を出したが、判決への論評は避けた。東電が進めている福島第1、福島第2両原発の廃炉に関し「あらゆるリスクを想定し、県民の安全・安心を最優先に着実に進めてほしい」と改めて要望した。


2019年09月20日金曜日


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