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「てんでんこ」世界へ発信 陸前高田・津波伝承館あす開館

多言語対応の展示を紹介する海山さん(左)とキャセルマンさん

 岩手県の東日本大震災津波伝承館が22日、陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園内に開館する。津波の脅威と震災の教訓を世界に発信するため、外国語対応の解説員を配置。英語の表示に加え、スマートフォンのアプリによって中国語の簡体字と繁体字、ハングルでも展示内容を紹介する。
 開館に向けて採用した解説員10人のうち2人が英語、2人が中国語で展示物を案内する。
 中国出身の海山めいさん(35)=大船渡市=は、16年前に来日した。震災では、職場の同僚が犠牲になったり、中国で漢方薬とされるタンポポを天ぷらにして食べたりしたという。
 「それまで津波を意識することは全くなかった。自分はたまたま助かった」と振り返る海山さん。中国語と韓国語を受け持ち「日本人に比べて防災に対して関心の薄い人々にどう伝えるか。自らの経験も含めて紹介したい」と話す。
 ザカリ・ポール・キャセルマンさん(34)は英語解説を担当する。震災時は米国でタクシー運転手などをしていたが、妻が国際交流員として釜石市で勤務することになって2018年に来日した。
 解説員研修では沿岸市町村を視察し、いったん避難したのに自宅に戻って津波にのまれた人も少なくなかったことを知った。
 来館者に最も伝えたいのは、津波発生時に自分が逃げて命を守る行動「てんでんこ」。「ほかの自然災害でも役立つ教え。津波が英語で『TSUNAMI』となったように、てんでんこも世界に広めたい」と意気込む。


2019年09月21日土曜日


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