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北限オリーブ商品化へ着々「石巻に来ないと味わえない高級品に」

石巻市北上地区で実証栽培しているオリーブの実に触れる千葉さん

 宮城県石巻市が、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた土地を中心にオリーブ畑を整備し、国内北限の栽培地として商品化する準備を進めている。収穫期の今秋には、オイルなどの加工施設を完成させる。栽培から販売までを地元が担うブランドを目指し、復興の象徴としてPRしたい考えだ。
 「害虫対策に苦労したが、今年は本格的に実りそうだ」。同市北上地区で栽培を委託された農事組合法人「みのり」代表理事の千葉昭悦さん(70)は8月初旬、付き始めたオリーブの実に触れながら手応えを口にした。
 市は津波で人が住めなくなった宅地や水田跡地の有効活用を検討。香川県でオリーブを栽培する「アライオリーブ」の社長と知り合いだった復興庁職員の提案をきっかけに、2014年から同社の技術指導で植樹を始めた。現在は沿岸4地区で計約1670本を実証栽培している。
 収穫量は年々増え、昨年採れた実をアライオリーブが搾り、初めてオイルを試作。今年3月の試食会では刺し身やすしなど和食に合うさっぱりとした味わいに、亀山紘市長や飲食店関係者ら約70人が舌鼓を打った。
 加工施設では、この秋に収穫が見込まれる約500キロでオイルや塩漬けを生産。仙台市の百貨店で来年、試供品として出し、市場調査した後に一般に流通させる予定だ。
 市の担当者は「石巻に来ないと味わえない高級品にしたい。地元のお土産店や飲食店で扱ってもらえたら」と展望を語る。千葉さんも「復興のシンボルとして育ててきた。多くの人たちに早く届けたい」と期待を込める。


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2019年09月22日日曜日


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