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<宮城野ウイーク>仙台をスズムシの自生地に 岩切の愛好家、放虫活動25年

「すずむし室」でスズムシの様子を観察する(左から)高阪さん、鈴木さん、森さん

 都市化とともに姿を消した仙台市の虫、スズムシを復活させようと、岩切市民センター(宮城野区)を拠点に活動する「すずむしの里づくり実行委員会」が発足して25年がたった。メンバーによると「宮城野原は古来、萩(はぎ)を愛(め)でスズムシの音色を楽しむ風流人の憧れの地だった」という。人工飼育や啓発活動を続け、涼やかな音色が響く自然環境の再現に取り組む。

 市花の萩や市木のケヤキに比べると知名度は低いが、市が1971年に自然愛護の象徴を公募して決まったのがスズムシだ。
 実行委員会は94年に発足し、現在は地域住民20人が活動する。岩切市民センター内の「すずむし室」に並べた飼育ケースで年間約10万匹をふ化させ、七北田川河川敷などで実験放虫を続けている。
 メンバーの鈴木孝雄さん(76)は「何といっても、あの涼しげな音色がいい」と魅力を語る。雄だけが出す鈴のような音は、2枚の羽をこすらせて鳴らす。森紀昭さん(79)も「笛を吹くと負けじとリンリン鳴く。いい音色を競い合うようだ」と笑う。
 委員会によると、いまだに市内での自生は確認できないという。高阪広行さん(69)は「鳥やアリ、クモなど天敵が多い。放虫した途端に食べられてしまったこともある」と頭を悩ませる。
 今月中旬、宮城県山元町の住民から、海岸付近の空き地でスズムシが鳴いていると知らせが入った。現地へ確認に行き、自生のスズムシだと確信。「人工飼育の虫とは音の伸びやかさが全然違う。感動した」と高阪さんの声も弾む。
 宮城野区内の小学校などでの年10回の出前授業に加え、県内外のスズムシ飼育家や団体と積極的に交流する。「活動には若い人の力が必要。宮城野原にまたスズムシの音色を響かせたい」と3人は力を込める。


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2019年09月24日火曜日


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