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<いぎなり仙台>おらほの裏方さん![10]古い建物の魅力 後世に/東北歴史博物館技師 西松秀記さん(32)

ふき替え予定の中門のかやぶき屋根について説明する西松さん=東北歴史博物館

 東北歴史博物館(多賀城市)の敷地内にある宮城県指定有形文化財「今野家住宅」のかやぶき屋根のふき替えを担当する。
 「ふき替えは1999年の開館以来初めて。屋根の材料は北上川沿いのヨシを使う。10月から母屋、中門、便所の3棟に取り掛かり、滞りなく進めたい」と、同館技師の西松秀記さん(32)は話す。
 今野家住宅は1769年の建築。博物館の開館に合わせて石巻市北上町橋浦から移築したが、経年劣化や東日本大震災の影響が出ていた。ふき替え工事のため、8月から内部の見学を中止し、公開は2020年4月以降の見込みだ。
 「屋内のいろりを使わなくなり、かやぶき屋根のコケが一気に広がった。煙の大切さを実感した」と言う。
 今野家住宅建築250周年に当たり、当時の資料を12月1日まで公開。10月14日に記念講演会を開く。いずれも西松さんが企画した。
 東北大工学部を卒業後、故郷の長野県で県職員として新築物件を検査していた。しかし、元々、歴史好き。「古い建物に関わりたい」と宮城県職員に転職し、同館に着任して6年目になる。
 涌谷町の建材倉庫に明治時代の遠田郡役所の一部が使われていることを調査で確認した。「文化財指定は難しかったが、所有者から『歴史を知ることができた』と感謝された」と、やりがいを語る。
 目下の関心事は、子どもたちに建築の魅力をいかに伝えるか。「建物だけでは飽きてしまう。工夫を凝らし、楽しんで笑顔で帰る姿を見たい」と、子ども向けイベントのアイデアを練る。
(高橋秀俊)

[東北歴史博物館]多賀城市高崎1の22の1。1999年10月開館。東北の歴史を紹介する常設展と各種特別展を開催。入館者は2018年12月に300万人を突破した。特別展「蝦夷−古代エミシと律令国家」を開催中。連絡先は022(368)0106。


2019年09月25日水曜日


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