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<ラグビーW杯>「子どもたちのレガシーに」 聖地・釜石に新たな歴史

迫力あるプレーに歓声を上げる観客=25日午後3時45分ごろ、釜石鵜住居復興スタジアム

 東日本大震災で傷ついたラグビーの聖地に新たな歴史が刻まれた。釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで25日あったラグビーワールドカップ(W杯)日本大会のフィジー対ウルグアイの一戦。「この日を待っていた」。大勢のラグビーファンが世界レベルのプレーに酔いしれた。
 秋風が舞う復興スタジアムには1万4000人余が詰め掛けた。震災の犠牲者に黙とうをささげた後、キックオフを迎えた。
 「よくぞここまできた。8年前には想像もできなかった」。釜石市小佐野町の無職藤原成則さん(64)は感慨深げに復興の歩みを振り返った。
 スタンドでは招待された市内の小中学生2200人が両チームの国旗をデザインした小旗を振って懸命に応援した。大人たちも大きな拍手と歓声で選手たちのプレーを後押しした。
 試合は30−27でウルグアイが勝った。フィジーがキャンプを張った秋田市八橋球技場を管理する市職員渡辺学さん(49)は「ハイレベルな国と国の意地のぶつかり合いを見ることができて感慨深い」と話した。
 神奈川県の会社員石川政博さん(48)と妻沙織さん(38)は、新婚旅行先に2007年のW杯フランス大会を選んだラグビー好き。沙織さんは「W杯の面白さは会場の一体感。微力ながら復興を支援できたら」と語った。
 スタジアムは津波で全壊した小中学校の跡地に立つ。釜石市鵜住居町の歯科医佐々木憲一郎さん(51)は「釜石にとってラグビーは特別な力がある。子どもたちの心に残るレガシーになればいい」。さんさんと降り注ぐ日差しと響き渡る歓声にまちの復興を重ね合わせた。


2019年09月26日木曜日


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