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<311次世代塾>学校、地域での連携不可欠 避難所運営の課題探る

避難所で炊き出しに並ぶ被災者=2011年3月13日、仙台市若林区の七郷小

 東日本大震災の伝承と防災の担い手育成を目的に、河北新報社などが開く通年講座「311『伝える/備える』次世代塾」第3期の第7回講座が21日、仙台市宮城野区の東北福祉大仙台駅東口キャンパスであった。今回から震災復旧期の教訓を学ぶ第2フェーズがスタート。元石巻西高校長の斎藤幸男さん(65)、仙台市青葉区の片平地区連合町内会会長の今野均さん(77)の2人が「避難所の苦闘」をテーマに講話した。
 斎藤さんは震災時、石巻西高教頭として避難所運営に従事。「学校と地域の協力が避難所運営には必要」と強調し「縦割りの組織ではなく、柔軟な対応がしやすくなるウェブ(クモの巣状)組織で相互協力するべきだ」と提案した。
 2人目の今野さんは、都市部ならではの避難所運営の難しさを証言した。「避難所には帰宅困難者や外国人も押し寄せた」と振り返り、「日頃からの備えが大切だ。若者も巻き込み、防災力の高いまちにしていきたい」と訴えた。
 この日の受講生43人は講話後、7グループに分かれ討論。受講生からは「共助のためには日頃からのコミュニケーションがいかに大切か痛感した」「地域の中で顔の見える環境づくりを進めていきたい」など、周りの人たちとの連携強化を誓う声が相次いだ。
 防災マニュアルに関しては「マニュアルづくりは大切だが、作っただけで安心してしまっては意味がない」「マニュアルで全てはカバーできない。臨機応変に対応していく柔軟さも必要だ」といった意見も出た。

◎受講生の声

<子どもも下支え>
 縦割りの避難所運営組織しか知りませんでしたが、横の協力関係をつくった方が柔軟に対応できると分かりました。震災時の避難所では子どもが活躍しました。将来、教師になったら子どもの考えを聞きたい。(白石市・宮城教育大1年・黒須陽佳さん・19歳)

<多様な問題学ぶ>
 震災時に避難所でさまざまな問題が起きたことを知り、とても驚きました。運営に必要なものは都市、郊外など地域ごとに違いました。円滑な運営には地域のコミュニケーションが大切だと思います。(仙台市太白区・東北工大2年・小久保翔也さん・19歳)

<学生の参加重要>
 学生が避難所運営に参加する上で、日頃から地域と関わることが大切だと感じました。地域や住民を知ると取り組みやすくなります。地域外の避難者の受け入れ準備や自分にできることを考えたいです。(仙台市青葉区・宮城大3年・佐藤祐芽子(ゆかこ)さん・21歳)

[メモ]311「伝える/備える」次世代塾を運営する「311次世代塾推進協議会」の構成団体は次の通り。河北新報社、東北福祉大、仙台市、東北大、宮城教育大、東北学院大、東北工業大、宮城学院女子大、尚絅学院大、仙台白百合女子大、宮城大、学都仙台コンソーシアム、日本損害保険協会、みちのく創生支援機構。事務局は河北新報社防災・教育室=メールjisedai@po.kahoku.co.jp


2019年09月27日金曜日


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