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<宮城野ウイーク>住民結ぶ屋号 地図に 仙台・南蒲生町内会が作製 55種類確認

屋号マップを手にする松岡さん(中央)と町内会の有志

 仙台市宮城野区の南蒲生町内会は、地域の屋号を紹介するリーフレット「南蒲生 屋号マップ」を作製し、区役所などで無料配布している。一家の特徴を端的に表す屋号。なりわいと結び付くことが多く、かつての風景が浮かび上がる。東日本大震災で津波被害を受けつつも、住民の8割が現地再建を選んだ南蒲生地区。町内会は屋号の伝承を通じて地域の再生に挑む。
 リーフレットはA3判四つ折り8ページ。約3000部を作製した。メインは各家の屋号を記したマップだ。
 「イシヤ(石屋)」などなりわい・商売を表す屋号、「セキバ(堰(せき)場)」「キタカド(北角)」など地点や方角を示す屋号、名主の呼称「ダンポサマ」の3種類を色分け表示した。
 60、70代の住民は今も屋号で呼び合うため、町内会の有志が地区の老人クラブ「貞山会」の会員ら約60人に聞き取り調査。55種類の屋号を確認し、今年3月にマップを完成させた。
 農家が多い地区で大半は副業が屋号になっている。酒屋を営んだシンイチという人物名から付いた「シンシヤ」、壁を塗る職人だったじいちゃんから命名された「カベジンツァン」などユニークな屋号もある。
 町内会長の松岡和雄さん(78)は「屋号は多くても30種類くらいかと予想したが、意外に多くて驚いた。屋号の由来、呼ばれ始めた時期まで知っている住民は少なかった」と話す。
 マップには「鍋沼」「雑(ざっ)子(こ)袋(ぶくろ)」「八郎兵衛エ谷地」「念仏田」など地区内の地名の由来も載せた。鍋沼は殿様に言われて沼で鍋を洗っていた女中が、誤って沼に落ちたとの言い伝えが由来になっているという。
 松林や屋敷林が広がる地区の風景は震災の津波で一変したが、屋号や地名が昔の姿を今に伝えている。
 松岡さんは「若い世代が地域を知るきっかけになればいい。住民同士の古いつながりを次の世代に引き継ぐため、屋号マップを積極的に活用したい」と語る。


2019年09月28日土曜日


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