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<いぎなり仙台>おらほの裏方さん![12完]読者の声 配達の原動力/トキタ新聞店従業員 佐々木徳仁さん(34)

バイクで次の配達先に向かう佐々木さん=3日午前3時50分ごろ、仙台市太白区袋原6丁目

 静かな住宅街にバイクの音が響き渡る。朝刊をいち早く読者に届けるため夜明け前から地域を駆け回る。
 仙台市太白区の袋原、四郎丸地区などで約4000部を配る「トキタ新聞店」は市内に59ある河北新報販売店の一つ。従業員の佐々木徳仁さん(34)は中学3年生の時から18年間、日曜を除き毎日配達を続けてきた。
 販売店のスタッフは午前3時ごろ、チラシの折り込みを始める。雨の日は、佐々木さんが新聞がぬれないようビニール掛けする工程を任せられている。新聞を1部ずつ、機械に流れるように投入する。
 その後、留守で一時配達を止めている読者の住所などを他の配達員に伝え、「気を付けて」と送り出す。
 配達では、入り組んだ袋小路を何度も出入りする。150部ほどの配達は1時間もかからない。ポストの形状に応じて新聞の向きや折り方を工夫するが「体に染みついた動作。慣れが大事ですよ」と話す。
 販売所長の鴇田真一さん(59)は「読者の要望をしっかりと把握している。他の従業員への指示も的確だ」と信頼を寄せる。
 18年間で最大の困難は、東日本大震災の時だったという。店が停電し、車のヘッドライトを照明代わりに作業した。避難所になった四郎丸小などで新聞を配った時、住民の「ありがとう」という感謝の言葉が今も忘れられない。
 夕刊を配達する時は、顔見知りの住民が路上で声を掛けてくれる。「読者の励ましを原動力に、この仕事を続けたい」と語る。
(栗原康太朗)

[トキタ新聞店]仙台市太白区袋原4の2の43。配達時に地域の見守り活動を実施。住民らの異変に気付いた際は関係機関に連絡している。太白、若林両区の他の販売店と共に仙台南署と連携協定を結び、不審者の通報や事件事故の情報共有もしている。


2019年09月28日土曜日


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