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幻の舞台160年ぶり 福島・葛尾で能と狂言上演

約160年ぶりに福島県葛尾村で上演された能「羽衣」

 東京電力福島第1原発事故で一時全村避難を余儀なくされた福島県葛尾村で28日夜、江戸時代に同村で上演されていた能と狂言の舞台が約160年ぶりに復活し、集まった約400人を魅了した。復興しつつある村の魅力をアピールしようと、村の商工会や教育委員会などが企画した。
 野外に設置された能舞台で天女に扮(ふん)した能楽師久貫弘能さんがあでやかな衣装をまとい、代表演目「羽衣(はごろも)」を幻想的に披露。木から柿を盗もうとした山伏をコミカルに描いた狂言「柿山伏(かきやまぶし)」では、客席から大きな笑いと拍手が起こった。
 会場は栄華を誇り「葛尾大尽(だいじん)」と呼ばれた豪商、松本一族の屋敷跡。村によると、江戸時代には敷地内に能舞台があり、池に浮かべた船から能を鑑賞したとの記録があるが、一族没落後は上演されていない。
 葛尾村から福島県三春町に避難している篠木兵さん(74)は「村に能の伝統があるのは知っていたが、見たのは初めて。優雅できれいで、やはり村はいいなと思った」と感動した様子で話した。
 村は2016年6月に一部を除き避難指示が解除されたが、帰還者は約3割にとどまっている。


2019年09月30日月曜日


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