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高校生のシゴト力 明日を創る[1]「あんしんソーセージ」作り 南郷高(宮城)

給食での提供に向け、ソーセージを試作する南郷高の生徒たち=9月6日、宮城県美里町の「みーと工房 とんたろう」

 高校生たちが商品開発や新たなビジネスに挑戦する取り組みが、東北各地でも年々活発になっている。産業の衰退や人口減といった地域の課題を見つめ、斬新な発想とアイデアで勝負している若者たち。その根底にあるのは地元の次代を思う熱い気持ちだ。河北新報社は東北と新潟の有力紙8社の共同企画としてそうした高校生にスポットを当て、彼らを支える人たちと併せてその活動を紹介する。

学校で育てた野菜を具材に 「安全」練り込み商品化

 宮城県美里町の南郷高(佐藤善則校長)で、産業技術科の生徒たちが「誰でもおいしく、笑顔で幸せになれる」をコンセプトに、ソーセージ作りに取り組んでいる。パプリカ、カブの葉など学校で育てた野菜を練り込み、添加物やうま味調味料を使わない「安心安全」が何よりの特長だ。
 南郷高は普通科と産業技術科からなる県立高で、119人の生徒が学ぶ。
 ソーセージ作りは、2017年度に産業技術科の3年生が「体にいい食品づくり」の授業で取り組んだのがきっかけだ。授業では満足いくものができず、有志3人が放課後に集まって試作を続けた。地域貢献活動で小学生との交流もあったため「おいしくて安全なものを子どもたちに食べてもらう」ことを目指した。

■試行錯誤の連続

 取り組みは18年度の3年生に受け継がれ、町内の食品加工会社から具材を練り込む際の温度、塩を入れるタイミングの指導を受けるなど、試行錯誤を重ねた。10月の文化祭で来場者にも食べてもらい、年度末には「無塩せき野菜ソーセージ『あんしんソーセージ』」として商品化にこぎ着けた。製造・販売は指導に当たった加工会社が担当。町内の「花野果(はなやか)市場」、富谷市の「元気くん市場仙台店」で販売され、好評だ。
 本年度は3年生10人がよりおいしく、多くの人に食べてもらうための企画、普及に力を注ぐ。色味で着目したのは赤ジソだ。赤い色素「ロズマリン酸」にアレルギー症状を抑える効果があると分かり、早速、栽培するなど改良に取り組んだ。5月には地元のイベントに続けざまに出品。6月には地元最大のイベント「活(い)き生き田園フェスティバル」の実行委員会からソーセージ作り体験会の講師の依頼も舞い込み、子どもらに手ほどきした。

■学校給食に提供

 並行して進めたのが、学校給食への提供だ。学校側から町に打診し、ゴーサインが出た。「地域の高校、地域の豊かさをもっと知ってもらおう」と、同じ町内の小牛田農林高が育てる豚を自分たちの野菜と一緒に具材に使う案が浮上。岩佐広一さん(17)が「農業系高校同士のつながりを生かせる」と小牛田側に持ち掛け、実現した。
 11月11〜15日に約2000食を提供する予定で、生徒たちはこの間、小中学校を回り、ソーセージについて説明する。樽石実奈さん(18)は「活動を通じ、食の安心安全を深く学んだ。子どもたちにもしっかり伝えたい」と話す。将来の夢は調理師になり、自分の店で料理を提供することだ。
 「思いを強く持ち、協力すれば願いはかなう」。3年間指導してきた山田利佳教諭(42)が生徒たちを優しく見つめた。
(河北新報メディアセンター・山形泰史)

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2019年10月06日日曜日


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