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<せんだい進行形>外国人労働者に住まいを 仲介業者がマニュアルなどでサポート

外国人の賃貸住宅仲介をサポートするため働くサンタさん=仙台市青葉区のアパマンショップ仙台駅前店
外国語に翻訳されたマニュアルやガイドブック
仲介会社から女性に届いたメール。「外国籍の方の入居が難しい」と伝えた

 日本で働こうとする外国人が最初にぶつかる壁は住まいの確保だ。賃貸住宅を探す場合、日本の契約ルールを理解し、保証人を用意しなければならない。それでも外国人というだけで入居を断られることもある。外国人労働者の受け入れを拡大した4月の改正入管難民法施行を受け、仙台市内の不動産仲介企業などが支援に乗り出している。(報道部・古賀佑美)

◎家主、トラブル恐れ敬遠

 「10件中4件は家主や管理会社から断られる」
 外国人の賃貸仲介について、市内のある不動産仲介業者が現状を語る。
 外国人は物件の築年数にこだわらない傾向があり、空き室対策となる一方、夜間の騒音や指定日以外のごみ出しといったイメージでトラブルを警戒され、特に個人経営の家主が入居を拒否するケースが多いという。

■ネパール人対応

 年間4000件超の仲介実績がある平和住宅情報センター(泉区)は、外国人に日本の賃貸住宅の仕組みを知ってもらおうと、約15年前に多言語マニュアルを作成。部屋の間取り、賃貸借契約書の重要事項、共同生活のルールをまとめた。
 さらに昨年、ネパール出身のアディカリ・サンタ・ビクラムさん(30)を正社員として迎え入れ、外国人対応を強化した。サンタさんは「自分も部屋探しに苦労した。ネパールの仲間を助けたい」と意気込む。
 外国人が賃貸契約を結ぶには、日本人の保証人を用意するか、保証会社の利用が必須になる。家賃保証だけでなく退去後のトラブルを防ぐためだ。不動産仲介のミニミニ県庁市役所前店の佐藤将平店長は「外国人の場合、会社名義の法人契約が望ましい。家主や管理会社が安心でき、契約がスムーズに進む」と明かす。
 約70人の外国人スタッフを抱える人材派遣の東洋ワーク(青葉区)は、借り上げ住宅を用意。指導役の外国人スタッフが生活面にも気を配り、働きやすい環境づくりに努めている。

■行政の支援必要

 とはいえ、増加する外国人労働者の住まい確保には貸し手の理解が不可欠だ。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(東京)は多言語ハンドブックの活用に加え、家主や管理会社を集めた研修会で理解を呼び掛ける。
 副会長兼東北ブロック長を務める今野不動産(青葉区)の今野幸輝専務は「今後、外国人の入居拒否が増えれば行政の支援が必要になるだろう」と指摘する。
 仙台市が6月に開設した仙台多文化共生センターの菊池哲佳センター長は「外国人が住民として暮らしていく上で住環境は大切だ。日本の住宅文化を外国人に知ってもらうとともに、日本人にも共生への理解を深めてもらいたい」と話した。

◎「仙台来るんじゃなかった」契約断られた中国出身女性

 仙台市の有力企業で正社員として勤務する中国出身の女性(26)は、外国人という理由で市内の賃貸住宅の契約を断られた。外国人への偏見に直面し「仙台に来るんじゃなかった」と後悔の言葉さえ口にする。
 2016年に留学生として来日し、市内の大学院を修了後、今年4月に就職した。学生時代にルームシェアしていた友人が帰国するため、引っ越しを計画。インターネットでアパート探しを始めた。
 仙台駅からバスで20分、築23年。1DKのマンションの写真を見て気に入り、不動産仲介業者に契約を申し込んだ。日本人の保証人も用意した。女性は日本語検定1級。言葉の問題もなく、すんなり契約に進むと考えていた。
 「大家様から外国籍の方の入居が難しいとの返答でした」
 メールが仲介業者から入った。驚いて問い合わせると「勤務年数10年以上の大手企業以外は入居が難しい」との回答。それまで一切の説明がなかった入居条件を急に示された。
 女性は憤る。「日本人でも同じことを言うのだろうか。会ってもいないのに外国籍だからと拒否するのは納得がいかない」
 帰国まで考え始めたところで、家主が中国出身という築40年以上のマンションに入居できた。が、わだかまりは今も消えない。
 「文化の違いもあり、仕事でストレスを抱える外国人にとって家はリラックスできる大事な場所。東京だったら嫌な思いをしなくて済んだのかな…」


2019年10月11日金曜日


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