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大川小遺族勝訴確定 原告団「体質改めて」宮城県と石巻市に注文

判決の確定を受け、これまでの歩みを振り返る原告遺族=11日午後4時35分ごろ、仙台市青葉区の仙台弁護士会館

 東日本大震災の津波で石巻市大川小の多数の幼い命が失われた理由を求め、遺族が宮城県と石巻市に起こした訴訟。仙台高裁判決の確定を受け、原告遺族が11日に仙台市内で開いた記者会見では、県や市の姿勢に対する注文が相次いだ。
 上告棄却の一報から約4時間半たった午後4時。会場には原告遺族5人と原告代理人2人が並び、背後には「全国の皆さんご支援ありがとうございました」と書かれた横断幕が掲げられた。
 5年の次女千聖(ちさと)さん=当時(11)=を失った紫桃隆洋さん(55)は「亡くなったたくさんの子どもたちが見えない力で支えてくれた」と話し、6年の三男雄樹君=同(12)=が犠牲になった佐藤和隆さん(52)は「長い道のりで何度も投げ出したかったし、つらかった」と振り返った。
 これまで県や石巻市の説明が二転三転するなど、ずさんな対応が児童遺族を何度も傷つけた。原告代理人の吉岡和弘弁護士は「初めから遺族と真摯(しんし)な話し合いをしていれば、ここまで長くかからなかった。率先して問題を解決する姿勢を示さなかった知事の責任は重大だ」と批判した。
 6年の長男大輔君=同(12)=を亡くした原告団長の今野浩行さん(57)は「県や市は体質を改め、隠蔽(いんぺい)した事実も出さなければ謝罪も受け入れられない」と強調した。
 大川小の教訓を学校防災に生かす取り組みも道半ばだ。3年の長女未捺(みな)さん=同(9)=を失った只野英昭さん(48)は「大川小には多くの教員が訪れるが、県外の人ばかり。県内の教員こそ、ここで学校防災について自問自答してほしい」と注文を付けた。
 一審二審の審理の中で、当時学校にいた教職員11人中、唯一助かった男性教務主任(58)が証言することはなかった。只野さんは「確定判決を機に、先生は真実を話してほしいし、焼香にも来てほしい」と訴えた。


2019年10月12日土曜日


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