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台風19号 東北直撃 日常を破壊 嘆く住民 岩手・道路陥没や土砂崩れ

裏山の土砂や樹木が押し寄せた民宿=13日午前10時45分ごろ、釜石市片岸町
冠水した市街地で汚れた歩道を掃除する市民=13日午後2時ごろ、釜石市大町1丁目

 東北南部を縦断し、太平洋に抜けた台風19号は、岩手、福島両県に猛烈な風雨をもたらした。岩手では沿岸部を中心に冠水や土砂災害が相次ぎ、福島では阿武隈川など大小の河川が氾濫し、住宅地や田畑に流れ込んだ。一夜明けた13日、両県では消防や警察、自衛隊などが孤立した住民の救助、行方不明者の捜索に当たった。

 岩手県では、田野畑村松前沢の村道で直径約5メートル、深さ約5メートルの陥没が発生した。帰宅途中だった岩泉町袰野(ほろの)、漁業穂高正美さん(71)の軽トラックが午前2時20分ごろ、陥没溝に落下し、穂高さんは胸などを強く打って搬送先の病院で死亡した。
 釜石市片岸町の民宿では裏山が崩れて土砂や立木が流入し、管理人の50代の男性があばら骨を折るけが。盛岡市では新聞配達中の女性が転倒し足の骨を折った。
 盛岡地方気象台によると、降り始めからの総雨量は普代村で467.0ミリと10月の平年月間雨量の約3.5倍を観測。このほか岩泉町小本450.0ミリ、宮古市416.5ミリなど各地で400ミリを超えた。
 久慈市田屋町の住宅街は広範囲にわたって冠水。消防団が出動し、自宅に取り残された住民を救助した。
 釜石市では、半島部に位置する尾崎白浜、佐須の両地区では計133世帯、348人が土砂崩れによる道路の分断で孤立状態となった。市によると、復旧には3、4日かかる見通し。両地区とも断水しており、釜石海上保安部が巡視船で水を尾崎白浜に運んだが、佐須は波が高く断念した。
 大船渡市のピアノ教室経営佐々木幸子さん(68)方では、崩れたのり面の土砂が台所に流入した。佐々木さんは「自宅の周りは濁流で川の中に立っているようだった」と話した。
 一関市にある国の天然記念物「厳美渓」は磐井川の増水で立ち入り禁止になった。対岸へロープで団子を運ぶ「空飛ぶだんご」も休止。店主の千葉晴夫さん(73)は設備の復旧に追われ「安全が確認できるまで2、3日の休みはやむを得ない」と語った。


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2019年10月14日月曜日


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