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宮城・丸森中心部の孤立解消 被害の全容はいまだ不明

水が引いた丸森町役場(右奥)周辺で泥かきをする住民=15日午前9時55分ごろ

 台風19号に伴う河川氾濫などで大規模な浸水被害に見舞われた宮城県丸森町は15日、中心部の浸水が終息し、町役場や町国民健康保険丸森病院の孤立状態が解消された。復旧作業が本格化しつつあるが、被害の全容把握に至っておらず、被災者の救助活動や行方不明者の捜索が続く。

 東北地方整備局によると町中心部の浸水面積は約50万5500平方メートルに達し、浸水深は深いところで一時1メートル以上になったとみられる。大量の倒木や土砂が川の水をせき止め、周辺の家屋に濁流が流れ込む被害が相次いだ。
 町役場から約600メートル南の飯泉地区では橋に木などがたまり、平常時と異なる川の流れが発生。道路を破壊するほどの水が流入し犠牲者が出た。住民の高齢男性は「地域に(避難の)声掛けはしたが、水がこんなに来るとは思わなかった」と悔やんだ。
 町役場周辺は15日、冠水の解消で車や人の往来が可能になり、職員が来庁した町民への応対や被害現場の確認などに追われた。一帯は道も家屋内も泥まみれで、住民らは床や道路にたまった泥をかき出した。
 役場近くに家族4人で暮らす主婦伊藤京子さん(55)は避難先から戻り「まさかこんなに」と大量の泥に驚いた。1階に10センチほどの泥がたまり、親類の手も借りて屋外に掃き出した。町内で続く断水が障害で「洗い流せる水がほしい。役場に復旧時期を問い合わせても分からないと言われる」とため息交じりに話した。
 町建設課によると、15日昼時点で町内全戸(4150戸)が断水。多数の水道管が道路ごと破損しているという。
 住民からは「家を建ててから10年もたっていない」「浸水した店舗はしばらく開けられない」などと嘆く声が聞かれた。無職渡辺武夫さん(72)は「命があるだけよかったが、これからも町に住み続けるか悩んでいる」と胸の内を明かした。
 ラーメン店「なるほどらーめん」の店主安達幸三さん(69)は「器も機材も全部処分しなければいけないが、常連客が期待しているはず。もう一回やり直したい」と前向きに語った。


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2019年10月16日水曜日


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