宮城のニュース

吉田川決壊、185世帯水没 大崎・鹿島台志田谷地 排水進まず住民困惑

水没した自宅を見に来た住民。被災から3日たっても排水作業が進まず住民のいら立ちが募る=15日午後1時40分ごろ、大崎市鹿島台大迫下志田

 宮城県大郷町で13日朝に吉田川が決壊した影響を受け、下流域の左岸にある宮城県大崎市鹿島台志田谷地で185世帯が水没被害を受けた。14日までに自衛隊や消防ヘリなどが住宅に取り残された51人を救出した。15日午後6時現在、約150人が旧鹿島台二小に避難している。
 市によると、13日午前3時25分、鹿島台側で堤防から水があふれたという情報が入り、防災行政無線で注意を呼び掛けた。午前7時50分、大郷町粕川の左岸が決壊して隣接する志田谷地に水が押し寄せた。
 国土交通省北上川下流河川事務所は多数の排水ポンプ車を派遣したが、水量が多く復旧までかなりの時間がかかるとみられる。

◎進まぬ作業に住民いら立つ

 「目の前に家があるのに戻れない」。大崎市鹿島台の志田谷地地区では15日、浸水した自宅の様子を見に来る住民の姿が目立った。泥の湖と化した水面には稲刈りで出た大量のわらや木材などが散乱。排水作業も進まず、住民のいら立ちが募っている。
 会社員佐々木栄子さん(58)は台風が通過した13日朝、家の前の道路が冠水し外に出られないことに気付いた。その後、吉田川が決壊し1階が浸水したため2階に避難。昼ごろ消防隊のボートで救出された。「キッチン台の高さまで水が上がった。テレビや冷蔵庫などは全部駄目。どうしようもない」とため息をつく。
 15日、ボートを使って浸水した自宅に戻る住民もいた。農業法人役員の千葉利一さん(63)は「1階は泥だらけ。災害ごみの処理が心配だ。行政側からの情報が欲しい」と訴えた。
 避難所で過ごす住民には1986年の「8.5豪雨」の記憶が刻まれる。無職石川伊佐雄さん(76)は「吉田川の堤防は2メートルほど高くなったはずで、まさか決壊するとは思わなかった」と語る。農業板垣ユキさん(75)は「水が引くまであと何日かかるのか。避難所にテレビがないため情報もなく、困り果てている」と遠くを見つめた。
(登米支局・小島直広、若柳支局・古関一雄、南三陸支局・佐々木智也)


関連ページ: 宮城 社会

2019年10月16日水曜日


先頭に戻る