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宮城・丸森、複数の浸水形態 内水氾濫や合流地点で増水 東北大災害研が現地調査

 猛烈な雨により各地で河川の氾濫を引き起こした台風19号について、東北大災害科学国際研究所が15日、仙台市青葉区の研究所で現地調査の報告会を開いた。森口周二准教授(地盤工学)は宮城県丸森町中心部の浸水被害に関し、場所によって発生形態が異なるとの分析結果を示した。
 町役場がある中心部は北側を阿武隈川、南側を新川と新川が合流する内川に囲まれ、背後に山がそびえる。調査では(1)山から中心部を通って新川に流れる小さな川の水門が閉まっていた(2)中心部に接する新川と阿武隈川の堤防はほぼ無傷だった−ことなどが判明した。
 このため、中心部の浸水被害は背後の山に集まった雨水に加え、市街地に降った雨が排水されずにたまり続けたことが要因で発生した「内水氾濫」と考えられるという。
 新川と内川の合流地点では、合流により水位が上昇。両河川の増水で堤防の一部が決壊し、浸水被害をもたらした可能性がある。
 森口准教授は「従来の防災対策は十分有効だが、これだけの雨量で被害を出さないことは不可能」と説明。阿武隈川の堤防が決壊すれば、より深刻な被害が生じていたと指摘し、最悪の場合でも人命だけは守る対策の必要性を訴えた。
 橋本雅和助教(防災水工学)は、宮城県大郷町粕川で堤防が決壊した吉田川を調査。破堤した部分が、周囲より約70センチ低く造られていたことを指摘した。
 吉田川の粕川付近の最高水位はこれまで2015年9月の関東・東北豪雨時の9.36メートルだったが、今回は9.92メートルに達した。橋本助教は「約60センチ上回ったことが破堤の原因になったのではないか。最高水位に達するまでの時間も短く、雨量のすごさを物語っている」と述べた。
 災害研は福島県いわき市でも調査を実施した。


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2019年10月16日水曜日


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