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「復興の象徴」三陸鉄道に試練 盛り土が崩壊、釜石以北は不通に

盛り土が崩壊してレールと枕木が宙づりになったリアス線=15日午前11時35分ごろ、岩手県山田町船越

 東日本大震災の「復興の象徴」三陸鉄道(岩手県宮古市)にも深い爪痕が残った。盛−久慈間の沿線各所で次々被害が判明し、釜石以北は、ほとんどの区間で運休に追い込まれた。3月のリアス線開通以来、快走を続けてきた三鉄が大きな試練に直面している。
 「震災を除けば1984年の開業以来、最大の被害になった。全線運転再開のめどは立っていない」。宮古市で15日にあった記者会見。中村一郎社長が苦渋の表情を浮かべた。
 岩手県山田町船越では線路の盛り土が大量の雨水に押し流されて崩壊し、線路が約20メートルにわたって宙づりの状態になった。冠水や倒木、土砂の流入による被害は沿線の計63カ所に及ぶ。
 不通となっている釜石−宮古、田老−久慈間では15日、バスによる代行運転が始まった。三鉄は高校生の利用が多い田老−田野畑、津軽石−宮古の両区間で復旧を急ぐ方針だ。田老−田野畑間は今後、数日で運転再開となる見通し。
 盛−釜石間は通常運行を続けており、宮古−田老間は本数を減らして運行している。
 岩手県釜石市がラグビーワールドカップ日本大会の会場の一つになった効果もあり、リアス線の利用実績は好調に推移。8日の取締役会では4年ぶりに単年度黒字が見込めるとの報告があったばかりだった。
 三鉄によると、既に団体利用客のキャンセルが相次いでいるという。復旧財源を調達するために今後、国や出資者の県、沿線自治体に支援要請を検討する。
 「リアス線の開業効果を長く持続させたかった」と悔しさをにじませる中村社長。「台風19号による被害は減収の要因になるが、少しでも食い止められるよう頑張りたい」と歯を食いしばった。
(宮古支局・佐々木貴)


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2019年10月16日水曜日


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