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「食料長く持たない」 釜石・佐須地区で道路崩壊 孤立状態続く

川の増水でえぐられた佐須地区の道路と崩落した橋(右)=15日午前10時20分ごろ、釜石市

 台風19号で道路が崩壊し、孤立状態が続いている岩手県釜石市尾崎半島の佐須地区に15日、徒歩で入った。地区内の川や沢は土砂で埋まり、湧き出す水が道路にあふれていた。住民からは被害の拡大を懸念する声が相次いだ。
 道路が崩壊したのは地区の入り口で国道45号から約7キロ入った地点。川の橋脚に流木などが詰まり、あふれ出た水が道路を長さ約20メートル、深さ約3メートルにわたって削り取った。
 崩壊した道路のそばに立つ漁業佐々木一(はじめ)さん(57)の住宅は、基礎部分が深くえぐられていた。敷地に土石が流れ込み、車や漁業用倉庫が土砂で覆われた。家族5人は避難して無事だった。
 一さんは「このまま家に住めるのか心配だ。雨が降ったらどうなるのか。漁業も当分できない」とやりきれない様子で話した。
 「13日午前0時すぎ、道路に出たら川のようで流されそうになった」。町内会長の漁業佐々木孝明(こうめい)さん(70)が証言する。夜が明けて外に出ると道路が陥没しており、その幅は水流で徐々に広がった。
 地区の入り口まで車が入れるようになったのは台風通過から丸1日が経過した14日の昼前、断水が解消されたは夕方だった。
 孝明さんは「食料や日用品は買い置きがあっても長く持たない。高齢者が多く、通院の足の確保や急病への対応が不安だ」と訴える。
 22世帯約70人の佐須地区。特に被害が大きいのは8世帯で、1世帯は既に他地区への移転を考えているという。「人的被害がなくてよかった」と振り返る孝明さん。14日には、復旧に向けて協力し合おうと全世帯に声を掛けた。
 釜石市建設課は「週内の道路復旧を目指す」との見通しを示した。
(釜石支局・中島剛)


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2019年10月16日水曜日


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