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<せんだい進行形>オフィス空間多彩に 働き方改革、ブランド表現

【広々、「脱固定席」】シンボルツリーが杜の都らしさを演出するUSEN−NEXTホールディングスの仙台オフィス
【カフェスペース】ワイヤードビーンズのオフィスにあるカフェスペースでは週3回、ビュッフェランチが提供される
【ショールームも】NTT都市開発東北支店のショールーム。グループ企業のセミナーなどにも利用されている

 仕事内容に応じて席を使い分けたり、カフェのような雰囲気のリラックスできる空間を設けたり。新たなオフィス空間の在り方が広がっている。仙台圏の最新オフィスを訪ねた。

■社員間が活性化

 USEN−NEXTホールディングス(東京)は9月、仙台市若林区の仙台オフィスを全面リノベーションした「U−BASE FOREST(フォレスト)」をオープン。仕切りがなく広々とした空間に、高さ約2.5メートルのシンボルツリーや観葉植物を配し、杜の都らしさを演出する。
 個人の席を固定せず、働く場所を自由に選べるフリーアドレスを採用。テーブル席や窓際のソロブース、カフェのようなカウンターなど、関連4社の社員約80人が、その日の仕事に合わせて居場所を変える。従来型の会議室はなく、少人数のミーティングが主流だ。
 「かっこよく、働こう」を掲げ、フレックス制などの働き方改革を進める同社。地方拠点のリノベーションもその一環だ。目指すのは「来たくなるオフィス」。オフィスが変わると、服装も意識も変わるという。
 USEN東北支社の国部政光支社長は「横のつながりによるコミュニケーションが活性化している」と効果を強調する。

■高級感と温かみ

 国際的ブランドの電子商取引サイトを手掛けるIT企業ワイヤードビーンズ(青葉区)は昨春、オフィスを移転した。60人弱の従業員に対し、同社オリジナルの高級グラスをはじめとするショールーム、カフェスペースなどを合わせ、広さ1000平方メートル以上。ガラスの間仕切りが開放的な雰囲気を醸し出す。白と木目調がベースの内装はモダンで高級感と温かみがある。
 三輪寛社長は「デザインに気を使い、私たちもブランドだと表現することで取引先に安心してもらえる。新しい人材も迎えやすくなった」と利点を語る。
良い人材集まる
 NTT都市開発(東京)は9月、東北支店を若林区五橋に移転。再開発を進めるNTT東日本仙台中央ビル(青葉区)への入居を検討する企業向けのショールームとしても活用する。ビルに開設予定のコワーキングスペースをイメージし、木調の落ち着いた内装でセミナー用、応接用、集中用などのスペースを配置した。
 親会社NTTアーバンソリューションズの中川裕社長は「楽しく働けるかを意識した空間に良い人材が集まる。仕事をするだけでなく、他社との交流も生まれるような場がこれからの大事な要素になる」と話す。

◎生産性向上目的に応じ仕事場選ぶ

 オフィス空間を切り口に、生産性やコミュニケーションの向上を図る動きが仙台圏でも増えている。
 近年広がるのが、働く人自身が活動に応じて場所を使い分ける「ABW(アクティビティー・ベースド・ワーキング)」の考え方。部門などに基づく固定席と異なり、1人用ブースやラウンジなど多様な場から「集中が必要な作業」「アイデア出し」「リフレッシュ、交流」といった目的に応じて選ぶ。
 オフィスづくりを手掛けるイトーキ(東京)仙台支店によると、生産性やコミュニケーション、働く人の満足度の向上などを求め、東北でも研究・開発分野を中心に導入企業が増えているという。
 「働き方改革とオフィスの在り方が企業の課題になっている」と同社東日本デザイン設計室(仙台市)の中川直美室長。「労働力不足の中、優秀な人材の獲得や、新しい物を生み出す柔軟な発想につながるオフィスが重視される」と話す。
 コクヨ(大阪市)の子会社コクヨ東北販売が仙台市青葉区一番町に置く「ライブオフィス」も、フロアごとに機能を分けた。従業員が働く「生きたショールーム」として法人向けに公開する。
 4階は効率性や迅速性を重視し、机の配置の工夫などでコミュニケーションを活性化。8階は創造性を高めることを狙い、カフェのようなソファ席や畳敷きの小上がりなどを備えた。
 同社設計部の山崎拓哉課長は「業務や気分に応じて場を選択することで、モードを切り替えて集中力を高められる。運営側の工夫や維持運営管理の体制づくりが大切だ」と語る。


2019年10月18日金曜日


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