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一時孤立の宮城・丸森欠入地区 住民自ら倒木や石除去し道路復旧「何とか通れるべ」

豪雨で崩れた庭先の沢に石を積み、修復する定雄さん=17日午後1時20分ごろ、宮城県丸森町川田島

 宮城県丸森町役場から山あいに約7キロ入った欠入(かけいり)地区は、台風19号豪雨で中心部につながる全ての道路が寸断された。一時孤立状態に陥った集落に17日、記者が入った。
 地盤が崩落しアスファルトが大きくえぐられている。散乱した流木が行く手を阻む。ハンドル操作を誤れば崖下に転落だ。寸断された県道を迂回(うかい)したが、途中で道に迷った。手に軍手をはめ、山道に転がる流木や大きな石をどけながら進んだ。
 「バコバコ」。異音と振動がした。嫌な予感がする。右の前輪がパンクした。車を乗り換え、再び現地を目指した。
 「あの道路は集落の人間が復旧させた。おっかなびっくり何とか通れるべ」。住民自ら復旧した道を通って現地に着くと、会社員志藤栄喜さん(68)が被災直後の様子を教えてくれた。
 地区と中心部を結ぶ県道はズタズタになり、孤立したことを知ったのは13日朝だったという。自主防災組織の役員が衛星電話で町の災害対策本部に助けを求めたが、すぐに物資は届かなかった。
 「町に頼らず自分たちでやっぺという話になった」。食料と燃料を確保するため、住民が家々から重機を持ち出し、町道と農道をふさぐ土砂や倒木を取り除き、14日昼に開通させた。
 15日には自衛隊のヘリコプターが牧草地に水やパン、ガソリンを届けたが、約80世帯250人に行き渡る量はなかった。
 今も物資は不足がちで、志藤さんは「買い置きや保存食でしばらくしのぐ」と覚悟する。
 地区には山肌がむき出しになった採石場があり、麓に一軒家があった。「今は少し雨が降るだけでも怖い」。主婦安達つや子さん(80)は13日未明、自宅の庭が沼のようになった恐怖を振り返った。夫の定雄さん(82)は「大丈夫だ」と、雨に備えて敷地内を流れる沢を修復した。
 県道の通行止めは当面続く。自主防災組織の会長を務める池田幹夫さん(70)は「採石場が崩れる恐れや道路が再び崩れる可能性もある。一日も早く県道を復旧させ、安心した暮らしを取り戻したい」と願った。(田村賢心、桐生薫子)


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2019年10月19日土曜日


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