広域のニュース

停電、断水、交通網寸断… 地域経済影響じわり 損害表面化は数週間後か

 台風19号の被害は全容解明が進むにつれ、東北の地域経済に波紋を広げつつある。浸水など直接的な被害だけでなく停電や断水、交通の寸断といった間接的な影響が事業者の体力を奪う。東日本大震災後の復興需要の収束、少子高齢化、人手不足という慢性的な課題にあえぐ東北経済が一層冷え込む恐れがある。
 150社超が集積する福島県郡山市の中央工業団地で立地企業の大半が浸水するなど岩手、宮城、福島3県を中心に製造、流通、飲食といった幅広い業種が被災した。操業再開の遅れで、今後は部品などの供給網に影響が予想される。農林水産業関係も3県の被害額は計100億円を超える見通し。地域の基幹産業へのダメージは計り知れない。
 日本政策金融公庫仙台支店の吉池雅志支店長は、大規模な被害に限らず営業車や重機の浸水などの被害が広範囲に及ぶ状況に着目。「復旧作業が落ち着く数週間後から、売り上げなどの営業損害が表面化してくるだろう」と分析する。
 交通網の被害は生活の足や物流、観光に影を落とす。JR東北線、水郡線、磐越東線、八戸線は一部不通が続き、三陸鉄道、阿武隈鉄道も被害が甚大。東北線新白河−安積永盛間、本宮−松川間で代行バスが21日始まるなど代替交通の確保は進むが、全面復旧には時間を要する。
 吉池支店長は「交通面の復旧状況次第では、行楽シーズンを迎える東北の観光に影響が広がることも懸念される。行政や商工関係団体、金融機関が密に情報交換しながら息長く支援することが必要だ」と強調した。


関連ページ: 広域 社会

2019年10月20日日曜日


先頭に戻る