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唯一の道路崩落、続く断水 宮古・重茂地区で孤立する2集落

台風19号の大雨で崩落した市道=20日午前9時55分ごろ、宮古市重茂

 台風19号の大雨により、宮古市重茂地区では二つの集落の孤立状態が続いている。市街地と結ぶ唯一の道路が崩落し、断水は復旧の見通しも立っていないためだ。地域を支える漁業への影響も懸念され、住民たちは長引く不便な暮らしに不安を募らせている。
 孤立状態が続くのは、重茂半島の北部に位置する仲組集落の18世帯46人と追切集落の20世帯65人。市道が約20メートルに渡って崩れ落ち、通行不能となった。
 台風の通過から1週間以上が経過した20日も、崩落現場には住宅の屋根やコンクリート片が無造作に転がっていた。地中の導水管が土砂で詰まり、大量の雨水があふれ出て地盤を侵食したとみられる。
 「東日本大震災後、もうこんな目に遭うことはないと思っていた。まさかという感じだ」。仲組集落の漁業加村信一さん(68)がため息をついた。
 台風通過後、両集落には自衛隊や岩手県の防災ヘリが食料や飲料水の空輸を続けてきた。16日に幅50センチの仮設橋が設置され、徒歩で市街地側との往来が可能になった。
 停電は解消したが全世帯で断水が続き、住民たちは仮設橋を伝って市街地側に設置された給水タンクから飲料水を運搬している。
 市街地への買い出しや通院には、市街地側に待機させた車を共有。通勤、通学も不便を強いられている。
 市によると、崩落した道路の完全復旧には1年以上かかるという。月内をめどに車両が通行できる仮道路の整備を急いでいる。
 住民の多くが漁業に従事する両集落だが、漁港に通じる道路も寸断されてしまった。最盛期を迎えた天然コンブ漁ができない状態だ。「重茂ブランド」の魚介類を代表するアワビの口開けは来月に迫る。
 追切集落の漁業小成文男さん(74)は「海にも大量の土砂が流出したらしい。今後の漁に影響がなければいいが…。早く復旧して台風以前の暮らしができるようになりたい」と切実な声を上げた。(佐々木貴)


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2019年10月21日月曜日


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