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「道の復旧早く」孤立した丸森・薄平地区 一時は地面にSOS

孤立した自宅に通い、仲間と重機を使い流木や土砂を取り除く石川さん(左)=21日午後0時15分ごろ、宮城県丸森町薄平

 水と土砂に遮られ、車1台通れない。台風19号の豪雨による町道の寸断で孤立している宮城県丸森町の薄平地区に21日、記者が入った。物資不足から、一時は上空に向けて住民が食料などを求めてSOSを発信した。もともと十数世帯が暮らしていた。今は大半が避難したが、道路復旧に向けて住民が流木やがれきの撤去に取り組んでいる。

 付近を流れる五福谷川があふれ、地区につながる町道を削り取った。川べりを歩き、町道の損壊を免れた箇所にたどり着けばあとは一本道。しかし、所々が土砂に覆われ、脇も崩れている。
 途中、避難せず自宅に残る大枝栄さん(73)と擦れ違った。寸断された先に車があり、買い出しに行くという。
 13日に近所の住民と流木を「水 食料 ここに」と読めるように自宅前に置き、上空へ助けを求めた。住民の避難が進んで食料などの心配は減ったが、「あとは道があれば楽なんだが」とため息交じりに語った。
 50分ほど歩き、地区の最も奥に着いた。1階部分が土砂に埋もれた家が並んでいる。なぎ倒された電柱、えぐられた川岸、山林は土砂崩れ。通り抜けるルートは跡さえ見えない。
 自動車整備工場を営む石川真一さん(73)がショベルカーの故障に苦慮していた。自宅の敷地内に散らばった流木を取り除けない。
 「修理するにも電気やガスが要る。これらがなければ何もできない」
 応急処置でショベルカーは動いた。同じ地区の住民がレバーを握り、石川さんがチェーンソーで流木を切る。けたたましい作業音が響く。
 石川さんは避難先の親類方から連日通い、重機で地区内の道を通行しやすくした。次は自宅周辺を何とかしたいが、土砂やがれき、岩石、流木の量は膨大だ。
 「重機が大量に入らなければ始まらない。そのためにはやはり道だ」。石川さんが力を込めた。(田村賢心)


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2019年10月22日火曜日


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